中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

マスク生活の終焉で急浮上する「鼻毛問題」 「鼻毛が出てますよ」と指摘する難しさ

 かつては鼻毛の手入れに気を遣っていた人の中にも、この3年間、会社の規則や客先への配慮でマスクを常時着けていたことで、鼻毛処理を日常的にする習慣がなくなってしまった人もいるようです。そのため、マスクを外して仕事を開始すると、ヒゲは手入れするものの鼻毛にまで気が回らないというのです。30代の編集者男性はこう言いました。

「久々にマスクなしの編集会議をしたのですが、先輩・上司の鼻から鼻毛が何本かチョロチョロと出ているんですよ。僕も後輩ですから、さすがに注意はできないんですよね。すっかり編集部員の鼻毛が気になったので見渡してみたら、50代の編集長まで鼻毛が出ている。家族か友人が早く気付いて指摘してくれないと、鼻毛が気になって仕方がありません」

デリケートな問題だからこそ成り立つサービス

 誰かと一緒に食事をする際、口の周りに何かついていたら、「口元になんかついてますよ!」と指摘するのはさほど難しいことではありませんが、鼻毛を指摘するのは簡単ではない。個々人の体毛の濃さも違うし、伸びる早さも違う。なにより「あなたはだらしない」と言っているように思われるかもしれないから安易に指摘してはダメなのでは……と、逆に鼻毛を見せられている側にとって悩みのタネになってしまうんですよ。

 そこで私が思い出したのが、2011年にリリースされた「鼻毛通知代理サービス チョロリ」です。同サービスは「鼻毛だー! 言わなきゃダメ、言ってもダメ、そんな事態を解決するサービス」とのこと。そして以下のようにサービスの説明文があります。

〈あなたは友人や恋人が鼻毛を出していた時に、気軽に「君、鼻毛出てるよ。抜いてきたら?」と言えるでしょうか。特に相手が女性の時は、なかなか言えたもんじゃありません。そんな全国の優しい人のために『鼻毛通知代行サービス チョロリ』は生まれました。あなたの代わりに“鼻毛が出ていること”をメールにてお伝えし、鼻毛を抜いていただくようにご案内いたします。〉

「通知依頼書」と題された投稿フォームに鼻毛が出ていた人の名前、メールアドレス、出ていた穴、出ていた本数、その人との関係性、その人へのお願い(「抜けとは言わない」「やんわり」「強め」等を選ぶ)を入力すると、同サービスから即座にその人にメールが送られます。誰からの指摘なのかは、先方には伝わらないのがミソです。

 とまあ、すごく気になるのになかなか指摘しづらい鼻毛問題だからこそ、こんなサービスが生まれたのでしょう。これからマスクを外す人がさらに増えると、鼻毛以外にも「口臭」「歯が黄色い」「多過ぎるニキビ」など、様々な問題をどう指摘するか悩む人が増えるかもしれませんね。

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