快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

乗り味は「14年前とは隔世の感」 日本で高い支持を受ける「ルノー・カングー」の進化

フロントの表情もシャープになり、高級感を増したエクステリア。それでも相変わらずアウトドアシーンでの存在感は光る

フロントの表情もシャープになり、高級感を増したエクステリア。それでも相変わらずアウトドアシーンでの存在感は光る

 商用車ゆずりの広さと使い勝手の良さ、人も荷物もたっぷり載せながら、快適に走れるフランス生まれのLCV(ライト・コマーシャル・ヴィークル)として、1997年に初代モデルがデビューしたルノー・カングー。2代目モデルでも「実用性こそ大衆車の正義」というコンセプトを貫き、本国フランスを始め、欧州での人気は不動ともいえるほど。この日本でも“便利で快適なフレンチ”として支持を集めてきた。その人気モデルが14年ぶりのフルモデルチェンジによって3代目として登場。自動車ライターの佐藤篤司氏によるシリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今回は、14年ぶりにフルモデルチェンジした3代目のルノー・カングーをレポートする。

小粋でお洒落な「実用車」

 初代モデルを初めてドライブしたのは、日本に上陸する前のフランス取材の時でした。日本流にいえば5ナンバー枠に収まる手頃なサイズ感と商用車由来の背の高い荷室や使い勝手を備えたうえで、優れた直進安定性や軽快なハンドリング、そしてフランス車らしいしなやかな乗り心地を味わった瞬間に「いいなぁ」と一発で心を射貫かれました。スタッフ3人で巡ったフランス取材も実に快適で楽しい物でした。発売と同時に商用車仕様の「カングー・エクスプレス」とともに、乗用車仕様の「カングー」がヨーロッパで人気になったのも十分に納得の出来でした。それから2年ほど、「ずいぶんと待たされたなぁ」といいたくなるほどの時が経過したとき、ようやく日本に上陸してきました。初代がデビューしてから実に4年が経過していたのです。

 すると日本でも「待ってました」とばかりに注目を集めます。日本人が抱くフランス車のイメージどおり、小粋でお洒落で乗り心地が快適なうえに、実利も重視する実用車となれば申し分がないわけです。さらに日本のMPV(マルチパーパスヴィークル)の代表格、ミニバンとも佇まいが少々違っていて、個性を際立たせていたことも人気を支えた一因ということになります。

 その後、2代目ではコンセプトはそのままに進化し、3ナンバーボディを手に入れて、人気は加速。日本にやって来てからすでに20年あまりが経過していますが、50万円以下(ほとんどは10万km走行を超えていますが)から中古車が豊富に揃っています。ちなみに昨年、日本市場でルノーは販売台数を8618台としました。これは輸入車メーカーとして8位の数字で、その一翼を担ったのはモデル末期の2代目カングーでしょう。

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