キャリア

「年収1000万円を切るなんて…」 子ども2人を難関私立中高に通わせる専業主婦家庭、夫の年収激減でも“奨学金適用外”の苦しみ

結婚の決め手は「子どもを御三家に入れたいよね」

 結婚相手を選ぶ時に、「教育方針」が一致するのは大切なことだ。以前、離婚経験者たちを取材していた中で子どもの教育への考え方が合わなくて離婚したという例は多かった。

「夫は収入もあり、性格も悪くなかった。でも、子どもにそこまで勉強をさせなくていいという発想を変えてくれないので別れた」というケースもあったし、反対に「妻が小学校受験をさせたいと主張し、私が反対をしていたら、夫婦仲が悪くなってしまった」というケースもあった。

 A子さんは教育の方針が一致する、しかも、それを実現させてくれるだけの収入がある男性と出会った。彼の両親は官僚と専業主婦。彼女の両親も銀行員と専業主婦。似た環境や価値観の中で育ったことも、交際が順調に発展した理由だった。

 結婚後、資産価値が落ちないだろうという理由で中央区に分譲マンションを買い、長男の出産と同時にA子さんは仕事を辞めた。夫の収入は1400万円ほどで、手取りでも900万円を超えていた。家事を手伝ってくれないことは不満だったが、それはどうしようもないと思っていた。ただ、子どもの勉強に関してもすべて自分の負担になるのがキツかった。

 幼稚園の時から、自宅から徒歩5分のところにある公文教室に通わせたが、子どもが1人で行かせることはせず、送り迎えをきちんとした。長男は真面目で競争心が高く、中学受験では有利な性格だったが、SAPIXの宿題をすべて1人でこなすほどには「超人」系ではなかったので、A子さんが横について勉強をさせた。

「SAPIXは質問が授業の後にしかできません。残って質問をすると帰りが遅くなります。質問はさせないで、週に一度、家庭教師に来てもらっていました」

 尽力の結果、受験までに総額330万円ほどかけて、長男は御三家に進学した。下の子はやはり同じぐらいの費用をかけて、共学の超難関私立中高一貫校に入学した。

「同じマンションに住む共働きのご夫妻も6年生になると集団塾とは別に個別指導塾にも通わせていましたが、偏差値52ぐらいの中堅校に進学しました。我が家はコストパフォーマンスがよかったはずです」

 ところがだ。2人目が中学に入った後に雲行きが変化した。夫が今の会社を辞めて転職をするといい出したのだ。

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