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世界的に注目される“日本の童貞”問題 「欧米と異なり多様な生き方が許容されている」と研究者

日本男性の性について研究を進めるスウェーデン・カロリンスカ研究所の医師・上田ピーターさん(本人提供)

日本男性の性について研究を進めるスウェーデン・カロリンスカ研究所の医師・上田ピーターさん(本人提供)

 現代日本において、成人男性の「未経験率」が上昇している。国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、男女とも各年代で調査年が新しくなるほど未経験率が増加する傾向にある。特に2021年調査の18~34才の未婚男性の未経験率は44.2%と半分近い数字で、2015年の前回調査よりも増加した結果となった。

 未経験男性に共通するのは、収入が少ないがゆえになかなかデートできないケースや、実家暮らしで母親への依存を続けているケースなどが多いという。

 日本は世界的にみても未経験男性が増えやすい環境といえそうだが、それは海外の医学博士が研究対象にするほど特殊な状況であるようだ。

 スウェーデン・カロリンスカ研究所の医師である上田ピーターさんの専門は主に糖尿病や循環器疾患の疫学研究だが、2017年に英BBCで日本人男性の未経験率が驚異的に高いとのニュースが報じられたのを見て、「日本独自の未経験男性」を意味する「童貞」に興味を持ったという。

「これまでセクシュアルヘルス分野はLGBTQなどのセクシュアルマイノリティや性病、妊娠といった健康関連の研究や、性に活発な人たちに関する研究は盛んな一方で、童貞や処女はほとんど研究されませんでした。

 しかし日本の社会現象は10年後に同じ現象が欧米で起こるケースが多い。例えば、かつて日本で生じた引きこもりがいま欧米ではホットなニュースになっています。同様に欧米では未経験率やセックスレスが増えており、今後童貞も増えてくるのではないかと思った。だからいま、誰もやっていない研究を始めるべきだと思ったんです」(ピーターさん・以下同)

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