吉田みく「誰にだって言い分があります」

「今までの“普通”は“贅沢”なの?」ペットボトルもガソリンも値上げで悲鳴! 家計を守る妻たちの涙ぐましい対抗策

すでに自動販売機の飲み物は気軽に買える値段ではない(イメージ)

すでに自動販売機の飲み物は気軽に買える値段ではない(イメージ)

 2023年下半期も物価の上昇が続く。帝国データバンクの「食品主要195社 価格改定動向調査」(7月31日付)によると、7月はパンを中心に3595品目が値上げとなった。8、9、10月も値上げは続く予定で、2023年通年では3万品目を超える見通しだという。昨年の2万5768品目を大幅に超え、バブル崩壊以降最大のラッシュを記録する見込みだ。電気・ガス料金やガソリン価格などあらゆる物価が上昇するなか、収入の伸びが追いつかない消費者は多い。なかには節約の努力を続けるも「値上げ疲れ」を漏らす人もいる。フリーライターの吉田みく氏が、家計を守る妻たちの悪戦苦闘ぶりをリポートする。

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 埼玉県在住の会社員・タカコさん(仮名、30歳)は、夫と5歳の子供の3人暮らし。最近の暮らしぶりを聞くと、できるだけ自動販売機で飲み物を買わないように工夫し、節約していると語る。

「街中にある自動販売機で売られる飲み物の値段には驚くばかりです。昨年あたりからどんどん値上げされて、今は500mlペットボトルのコーラが180円、お茶は140〜160円、それより容量の少ないジュースなども最低130円はします。出先で喉が渇いたからといって、自販機で気軽に買うことは、もうできません」(タカコさん)

 そこでタカコさんは自宅で作った「水だし麦茶」を水筒に入れ、会社に持参している。しかし、タカコさんの水筒に入る量は500ml程度。1日8時間勤務なので、それではどうしても足りなくなるそうだ。水筒を2本も用意すると行き帰りの荷物が重くなってしまうので、夏の時期だけは、ペットボトルの麦茶を追加で1本持って行くようにしているという。

「毎日買うのはもったいないので、ペットボトルを洗って再利用し、自宅で作った麦茶を入れています。誰にも気付かれないとは思うんですが、バレた時に恥ずかしいのでペットボトルホルダーに入れて隠しながら使っています。自宅で凍らせてきているので、バッグの中で溶けてボトル周りが濡れることもしばしば。本当はオフィスの休憩室の自販機で冷えた麦茶を買いたいですが、1本150円もするので買えません……」(同前)

 持参する麦茶の準備は手間がかかるが、毎日コツコツと頑張った結果、「月3000円ほどの節約につながったと実感している」そうだ。今後は「購入している水だし麦茶の価格が上がらないかが不安」というが、子供の将来のためにも、なんとか節約を続けて貯蓄を増やしたいと話していた。

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