「バブルの発生に必要な条件は資金のだぶつき。かつてのバブルでは円高不況を脱却するために金融緩和と財政支出を行ない、資金がジャブジャブと溢れた。そして今、日銀の黒田バズーカで日本にはバブル期以上の資金がだぶついている。政策次第で日経平均は2万5000円や3万円どころではなく、現在の2倍の最高値更新も可能です」
世界経済の分析に定評がある投資ストラテジストの武者陵司氏は「日本市場には株価4万円の潜在能力がある」としてこう語る。
「バブル期は銀行の預金金利は8%、対して株の配当利回りは0.5%しかなく、PER(株価収益率)は50倍です。それでもみんな株を買った。今は逆に預金金利はゼロで国債もゼロ、株の配当利回りは2%近くある。どっちを買った方がいいか明白ですね。しかもトランプ大統領の就任で米国の景気は2017年、2018年とどんどん良くなる。日経平均も1年後には3万円近く、2020年の東京五輪の頃には4万円もあり得ます」
いきなり「株価4万円」といわれても夢物語に思えるかもしれない。トランプバブルに対する懐疑的な評価もある以上、株価上昇の過程にはいくつかの調整局面が訪れる可能性はある。
しかし、この数字を見てほしい。米国のダウ平均株価はバブル期の2810ドル(1990年1月)から、バブル崩壊やリーマン・ショックを経て現在は1万9000ドル台と約7倍になり、この間、ドイツの株価は約6倍、英国も約3倍になった。日本だけが半分に下がったままだ。その理由を知ると目からウロコが落ちる。前出の岡山氏が言う。