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家計

【解説】中古車販売の価格表示に新ルール 「支払総額」表示が義務化、後から諸費用が上乗せされる不当表示は禁止に

中古車販売店の「プライスボード」も変わる(イメージ)

中古車販売店の「プライスボード」も変わる(イメージ)

 ビッグモーターやネクステージなど、大手の不正が相次いで発覚し激震が走る中古車業界。従来の商慣行を正常化すべく、今年10月1日から業界内の新ルールが導入される。自動車公正競争規約などの改正により、中古車の販売価格が「支払総額」の表示に変わるのだ。日本自動車ジャーナリスト協会会員の自動車ライター、萩原文博氏が言う。

「自動車メーカーや販売業者ら会員で構成される一般社団法人自動車公正取引協議会が同規約の見直しを行ない、中古車の販売価格について、車両価格と諸費用を合算した『支払総額』の表示が義務化されることになりました。

 これまで中古車販売の現場では店頭のプライスボードや広告に安い価格を表示しながら、実際にはその価格で購入できない不当な価格表示が横行しており、消費者との間でトラブルが多発していたことが背景にあります」

 自動車業界の自主的な取引ルールながら、改正に従わず不当な価格表示をする違反事業者には、事業者名や違反内容の公表に加え、悪質なケースでは初回で100万円以下、2回目以降は500万円以下の違約金が科されるという。

 実際、中古車購入に際して店頭の表示価格とはかけ離れた金額を提示されたというケースは多い。初めての中古車選びで表示価格以上の支払いを求められたという20代男性が言う。

「中古車販売店の店頭で『70万円』と書かれた車のプライスボードを見て、『これなら手が届く』と店を訪ねました。ところが販売員に『70万円はあくまで車両本体の価格。そのほか、諸費用がかかります』と告げられ、出された見積もりは表示価格とはかけ離れた内容でした」

 男性自身、自動車の購入には自動車税や自賠責保険などの「法定費用」が10万円程度はかかると承知していたという。しかし、実際の見積もりはそれらに加えて「店舗間陸送費用」「納車整備費用」「クリーニング費用」などの項目が並び、約30万円の“諸費用”が提示された。

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