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60才を過ぎたら見直したい「死亡保険」の扱い 掛け捨ての定期保険は「子供が独立したら解約」を検討

60才を過ぎたら「死亡保険」の扱いをどう考えるべきか(イメージ)

60才を過ぎたら「死亡保険」の扱いをどう考えるべきか(イメージ)

「老後をどう生きるか」を考えるとき、まず浮かぶのはお金のことだろう。いくら貯めておくべきか、そして事故や病気、災害といった想定外の事態にはどう備えるべきか。

 ファイナンシャルプランナーの松浦建二さんは「60才をすぎると、お金の失敗は若い頃以上に許されなくなる」と話す。

「お金で失敗しても、若い頃は働いて取り返すことができます。しかし、体力も勤労収入も少なくなってからではそれも難しい。60才をすぎたら、お金は“攻め”より“守り”を重視すべき。いまあるお金を守るには、リスク対策のための保険をうまく使いこなす必要があります」(松浦さん)

 生命保険文化センターの調査によれば、現在日本人の8割もの人が何らかの保険に加入しており、1年間で払い込む保険料は1世帯あたり平均37.1万円。月3万円以上もの保険料がムダになっている可能性もある。「人生でマイホームの次に高い買い物」といわれる保険こそ、失敗は絶対に許されないのだ。

 しっかり備えたつもりでも、いざというときにまったく役に立たなかったというケースは少なくない。埼玉県の主婦・Aさん(42才)が言う。

「結婚したときに死亡保険とがん保険に入って、女性特有の疾病への特約もつけていました。完璧に備えたつもりで以来15年間、保険料を払い続けてきました。

 ところが先日、交通事故にあって1か月も入院することに。ですが、がんでも女性特有の疾病でもないので、給付金は1円もおりなかったんです。病気のことばかり考えて、まさか自分が事故にあうなんて思いもしなかった。“たくさん保険に入っているから安心”なのではなく、どの保険を選ぶかが大切だと痛感しました」

 保険は選び方次第。やみくもにいくつも保険に入り続けて「こんなに保険料を払っているんだから、何があっても大丈夫」などということはあり得ない。必要なのは、その時々で「本当に役に立つ保険」を見極めることだ。

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