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「無断駐車に困っています!」 駐車代金を請求する貼り紙を出しても問題はないか、弁護士が解説

無断駐車に対して「駐車代金請求」の貼り紙で対抗できる?(イラスト/大野文彰)

無断駐車に対して「駐車代金請求」の貼り紙で対抗できる?(イラスト/大野文彰)

 自分が経営する店舗の駐車場に無関係の人が勝手に駐車している──そんなトラブルに対処するために、“駐車代金を請求する貼り紙”をするのは問題ないのだろうか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【質問】
 店舗兼住宅の一戸建てで店を営んでいます。隣にスナックがあるのですが、そこの客が私の店の駐車場に勝手に車を止めています。「無断駐車禁止」と貼り紙をしていますが、スナックの店主は注意もしません。以前、私の店の壁に車をぶつけられたこともあります。家賃は駐車場代込みなので、余計に腹が立ちます。「駐車代金として1回○円いただきます」と貼り紙をしても法的に問題ないでしょうか。(長野県・60才・自営業)

【回答】
 すでに貼ってある駐車禁止の貼り紙に加え、駐車料金を提示する貼り紙を検討中ということですね。

 街の良好な景観を形成し、風致を維持し、あるいは市民の安全のため、屋外広告物の基準について規定する「屋外広告物法」という法律があります。そこでは、常時または一定の期間継続して屋外で公衆に表示される貼り紙も屋外広告物に含まれます。屋外が前提ですから、ガラス戸の内側から外に向けて貼った紙は、屋外広告物に該当しないので法令には触れません。しかし、警告の効果を考えて外に掲示する場合は、この法律を遵守する必要があります。

 屋外広告の禁止や制限地域、許可する場合の具体的基準などは都道府県が条例で定めることになっていますが、営利目的でない貼り紙を適用除外にする条例もあります。お住まいの役所に相談するのがよいでしょう。

「駐車代金として1回○円をいただきます」という貼り紙を掲示したいとのことですが、その金額を支払えば駐車できることになり、貸し駐車場のように思われないかが気になります。あなたは建物を店舗兼住宅として駐車場代込みで借りています。契約には建物の使用目的が定められているのが普通です。駐車場経営まがいのことをすると、目的外使用として賃貸借契約違反になるかもしれません。契約書を確認し、不安がある場合には事前に大家さんの承諾を得ておくことが必要です。

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