吉田みく「誰にだって言い分があります」

【自転車用ヘルメット普及への道】実際に着用し始めた60代女性「帽子型でオシャレしたい」の小さな楽しみ

ジム仲間に「オシャレ」と思われたい

 マサヨさんの夫の主張は、どんなデザインのヘルメットであろうと1個で十分とのことだった。マサヨさん自身、夫の言うことが理解できないわけではないものの、「夫は女性のコミュニティのことを分かっていない」と不満そうだった。

「私たちも今や年金暮らしだし、貯金も十分とは言えません。その日の気分に合わせてヘルメットでオシャレを楽しむのは分不相応なのかもしれませんが、それくらいの贅沢は夫にも許してほしい。

 ふだんの服装から節約ぶりが滲み出てしまうと、フィットネスジム仲間からも哀れんだ目で見られそうで……。同じ市内に暮らす狭いコミュニティなので、一度噂が流れると大変なんです。夫はそこを分かってくれないので困ってしまいます」

「フィットネスジム仲間の中ではオシャレな存在でありたい」と話すマサヨさん。できる範囲で流行りの物を追いかけていきたいと話していた。

 東京都の自転車用ヘルメット着用に関するアンケートでは「今後入手し着用するつもり」と答えた人が32.2%に上っている。自転車利用時のヘルメット着用を意識する人は今後増えると考えられ、マサヨさんの安全を意識しつつオシャレとして楽しむ人が増えるかもしれない。

「帽子のようにオシャレ」とはいえ、「ヘルメットである以上かさばる」など実用面の課題があるほか、何個も購入すれば、それだけ出費を伴う問題でもあるので、同居家族と意見をすり合わせる必要は大いにありそうだ。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

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