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自転車運転に苦労する高齢者が続出、「どう引退するか」当事者たちの声

高齢者は「自転車問題」にどう向き合うべきか

高齢者は「自転車問題」にどう向き合うべきか

 高齢ドライバーによる事故の危険性は、自動車に限らず、自転車にも言えることだ。自動車の運転を控えたり、運転免許を返納したりした高齢者が、新たな移動手段の一つとして、自転車を選択する例も少なくない。だが、自転車に関しても、高齢ドライバーによる危険運転や意識の低さを指摘する声が上がっている。当の高齢者たちは何を思うのか。自身や他人の自転車の運転で危険な目に遭ったことがあるという60代以上の人たちの声を集めた。

 神奈川県在住のAさん(75歳女性)は、自動車の運転を控えていた7歳年上の夫が、電動アシスト付き自転車を買ってきた時のことを、こう話す。

「タイヤが小さい、コンパクトなものです。いわゆるママチャリ、普通の自転車よりも『楽』だと思ったようなんですが、それで出かけるのを見ていると、すごく危なっかしい。平衡感覚というのでしょうか、フラフラして見えるんです。曲がるときもノロノロだし、いつか車に当たるなど、事故を起こしてしまいそうで……。私の印象ですが、大きい自転車よりも、そもそも乗ったことのない小さい自転車のほうがかえって運転が難しいのかもしれません」(Aさん)

 そんなAさんの不安をよそに、夫は「まだまだ自転車くらい」と甘く見ていたようだが、本人も運転の難しさを自覚し始めたようだ。

「『乗るのをやめたほうがいい』と言うと、『電動自転車くらい乗れるわ!』とキレられました。自分にできないことが増えるのを、認めたくないのでしょうか。喧嘩するのも面倒なので、その時私はそれ以上何も言わなかったのですが、いつの間にか乗らなくなっていますね。自分でも乗りこなせないことがわかったのではないでしょうか。事故があってからじゃなくて良かった、と心から思います。あの電動自転車は、娘にあげようかと思っています」(Aさん)

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