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【トリドール、オカモト、まんだらけ】決算発表後に株価が大幅上昇した3銘柄 数字だけではわからない「企業コメント」の妙

オカモト(5122)

 オカモトはコンドーム大手企業として有名。プラスチックフィルムや建装、産業資材も事業の柱としている同社は、11月10日に2024年3月期の第2四半期決算を発表し、前年同期比で売上+9.8%、営業利益+53.6%、経常利益+51.0%、最終利益+81.9%という大幅成長を実現している。

 また、同時に売上、利益の上方修正も発表。決算発表前に11月10日終値4925円だった株価は、11月15日終値では5510円と+11.9%もの上昇を遂げている。

 事業としては、プラスチックフィルム、壁紙、車両資材、農業用フィルムといった産業用製品の売上、利益が柱となっている。

 個人的に同社の決算発表でいつも目が行くのが、コンドームを始めとした生活用品セグメントに対するコメントである。同社の商品群に対するコメントは、日本の景気動向、インバウンドの状況、出張の活発さ、気候が及ぼした消費動向など、さまざまな状況把握を可能にしてくれる「最高の教科書」と言える。以下、決算短信より引用して掲載する。

「コンドームは、外出者の増加及び訪日客の増加に伴い売上増となりました。また、海外向けも引き続き好調に推移いたしました。浣腸は卸店の在庫調整及び輸出向けの納期変更の影響で売上減となりました。除湿剤は、梅雨時期の降水量が多く店頭販売が好調に推移し売上増となりました。カイロは、残暑の影響で販売店への店頭導入が遅れたため売上減となりました。手袋は、医療用は流通在庫過多の影響により減少しましたが、産業用は新規採用の増加により売上前年並みとなりました。メディカル製品のうち滅菌器は、コロナ禍の反動により売上減となりました。ブーツ及び雨衣は、雨衣の取扱いを縮小、また猛暑の影響により売上減となりました。シューズは、客足は徐々に戻りつつありますが猛暑の影響により店頭販売が振るわず売上減となりました」(オカモト2024年3月期第2四半期決算短信より)

 これを読むだけで、今の日本の景気や消費動向がどうなっているのか、具体的にイメージできるのではないだろうか。

オカモト2024年3月期第2四半期決算短信より

オカモト2024年3月期第2四半期決算短信より

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