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田代尚機のチャイナ・リサーチ

投資家が知っておくべきイーロン・マスク氏の極端な見解 反ユダヤ主義的な投稿者に「真実を語っている」と賛同、過去には「中国は台湾を統一する」と発言

イーロン・マスク氏の言動には注意を払っておきたい(Getty Images)

イーロン・マスク氏の言動には注意を払っておきたい(Getty Images)

 テスラのCEOで昨年10月にはX(旧ツイッター)を買収し、何かと世の中の注目を集めるイーロン・マスク氏だが、X上のある意見に賛同したことで現在、“衆矢之的(大衆の非難の的)”となっている。

 11月15日、反ユダヤ主義的なあるユーザーが、ユダヤ人コミュニティが「白人に対する憎しみ」を押し付けているという主張を投稿したが、それに対してマスク氏は「真実を語っている」とコメントした。

 このユーザーは、ユダヤ人に対する偏見や嫌悪を持っており、“ユダヤ人が不法滞在の少数民族を西欧諸国に連れてきて、それらの国々の白人の多数派を減らそうとしている”といった陰謀論を信じているようだ。そうした人物の考え方を正しいと認めてしまえば、世界中のユダヤ人や、彼らが強い影響力を有するグループ、組織から厳しい反発を受けることになる。

 ホワイトハウスのアンドリュー報道官は17日、米国メディア(CNN)で「アメリカ史上最も致命的な反ユダヤ主義行為の背後にある恐ろしい嘘を繰り返すことは全く容認できない」と述べており、「米国人としての核心的価値観に反する」と厳しく批判している。

 取引先の中にはIBMのように事態が解決するまで広告掲載を停止すると発表する企業も出ており、Xの主要な収益源の一つである広告収入は今後、大きく減少するかもしれない。また、テスラのユーザーの中には自家用車の買い換えを決断する人もいるかもしれない。

 マスク氏がこうした行動を起こした背景には、米国最大のユダヤ人団体である名誉棄損防止同盟(ADL)との確執があるとみられている。マスク氏は、Xにおいて、できるだけ恣意的な検閲を避けることで自由な議論の場を形成したいと考えており、そのために検閲に必要な人員を大幅に減らしたりしているが、そのことがユダヤ人に対する差別扇動表現を放置し、助長しているとADLは批判している。両者の立場の違いは大きい。

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