藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

《株主優待が廃止傾向に》その背景と優待投資の注意点を解説 優待廃止で株価が30%超下落した銘柄も

ANAの株主優待

ANAの株主優待

日本マクドナルドの株主優待

日本マクドナルドの株主優待

株主優待がうれしくない投資家

 一方で、優待にはなんのメリットも感じず、むしろデメリットと感じている投資家もいます。それは、日本市場の参加者の約6割を占めている海外投資家です。たとえば優待としてよく使われているQUOカードですが、海外投資家がQUOカードを受け取っても、実際には使う機会はないでしょう。また、国内の機関投資家であっても、優待商品を大量に受け取ったところで使用しきれず破棄せざるを得ない場合もあると聞きます。使えない優待にお金を使うなら、配当に回して、株主に利益を公平に還元すべきという意見はごもっともに思えます。

 海外投資家や機関投資家が、優待を出す企業を毛嫌って、投資を控えるようになると、その企業にとっては大きな痛手です。優待を廃止する企業が増えたのは、そういった背景からです。

優待投資の注意点

 優待がおいしければおいしいほど、優待内容の縮小や廃止を決めた場合の株価へのダメージは大きくなります。たとえば最近では、婦人靴メーカーのアマガサ(3070)が、優待内容の変更を発表しました。従来は、100株以上保有の株主に希望の靴を1足、500株以上を半年以上継続保有する株主には、ダイヤモンドピアスと希望の靴を1足ずつ提供していました。さらに保有株が2000株以上になると0.2カラットのダイヤモンドネックレスがもらえるなど、かなり充実した内容でした。

 変更後は、保有数や保有期間により割引クーポンのみの贈呈になります。優待内容変更の理由としては「株主数の増加とともに婦人靴商品の仕入れ在庫量が過大になり、収益を圧迫していること、自社 EC サイト内での商品選択に伴うご不便(優待配布開始時期に注文が殺到すること、 一般のお客様の商品購入が難しくなること)が発生していること」が挙げられています。優待が人気になりすぎたため、優待内容変更という皮肉な結末です。

 この発表が行われた翌日、当社の株価は30.2%下落という悲惨な状況になりました。優待目的で株を購入していた投資家にとっては、まさに泣きっ面に蜂。こういった悲劇を避けるためには、優待目的で買うとしても、企業の財務状況に余裕があるかどうかはしっかりチェックしておきましょう。また、財務に余裕があったとしても、株主への公平な利益還元を意識して、優待を廃止にする可能性はあります。ただし、業績がしっかり伸びていれば、優待廃止で一時的に株価が下落しても、そのあと回復する可能性は高いです。優待目的であっても、業績の確認作業は怠らないことが大事です。

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