快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

【クルマの雪対策】タイヤに被せるだけの「布製チェーン」の実力は? 約3分で気軽に装着、雪道を走ってみてわかった「本当のグリップ力」

実際の現場で装着する前に「試し装着」がお勧め

 まず雪道走行でもっとも判断が難しいのは「いつチェーンを装着するか」です。都内や箱根などである程度の降雪があっても、ノーマルタイヤを空転させながら走りきろうとするニュース映像などを目にします。そのたびに「無茶するなぁ」と感じることもしばしば。シャーベット状の雪でも路面にうっすらと積もれば、すでにチェーンの装着タイミング。もちろんアスファルト路面と積雪路が交互に現れるような状況でも同じです。

 ただし布チェーンはアスファルトで装着すると寿命が短くなる弱点があります。砂利道や路面が荒れた状態での走行ではさらに短命となります。それでもメーカーがスペインで行ったドライ路面でのテストでは、40km/hで約80km走行した後でも破れないという結果が出ています。滑り出す前に装着することで安心感は高まりますから、早めの装着が安心です。使い方によりますが「基本は一冬に1セット」と考えてもいいかもしれません。

 装着は実に簡単。多少のコツは必要ですが、慣れれば「約3分」というメーカーの説明どおりの装着時間も可能です。しかし、実際の現場で、初めて収納袋から取り出して、説明書を読みながら装着すると、それなりに時間がかかったり、コツを掴むのに寒い中で悪戦苦闘することもありそうです。そんなストレスを回避するためにも、購入したらドライ路面での「試し装着」をお勧めします。

本来の性能を発揮するために守るべきこと

 さて装着後の走行感覚は、実にスムーズで自然。金属やプラスチックチェーンのような騒音やガタガタとした振動とも無縁です。布チェーン本来の性能を発揮し、摩耗を極力防ぐことも考慮して、注意書きにもあるように40km/h以下での使用を心掛けて下さい。

 そしてもう一点言えば、圧雪路が始まる前のシャーベット路面では、速度オーバーで走行すると、ノーマルタイヤと同じような感じで滑る感覚が少しだけありました。本来の性能を発揮するためにはしつこいですが制限速度の厳守が必要です。降雪時には自然と交通全体の速度は落ちますから、40km/h以下でも流れに乗れるはずです。仮に後ろからスタッドレスタイヤを装着した車両などが迫ってきたら、道を譲るぐらいのゆとりがほしいところです。

 制限速度以内であれば雪道や凍結路でも安心感はかなり高いと思います。コーナリングでコーナーの外に膨らんでいくような感覚(アンダーステア)もありません。上り坂も余程の急坂路でない限り、タイヤの空転は少しありますが確実に登っていきます。もっとも注意が必要な下り坂のブレーキングでは、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)は時折作動しますが、しっかりとグリップを得ながら下ることができます。

 3月までは降雪も十分に考えられます。今回のイッセ スノーソックスは「標準モデル」が1万3530円から、テストに使用した「スーパー」が1万9800円から、そしてトラックなど「大型車両」向けが3万5574円からとなっています。

 一冬に数回の利用として、この出費を高いと見るかリーズナブルと見るか。雪道性能だけでなく、自然な走行感覚や装着の楽さ、携帯のしやすさなどを考慮して、他のタイプのチェーンと比較してほしいと思います。

【写真】布チェーンをタイヤに装着する様子

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。