中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

【ネット通販詐欺】「入力した個人情報どうなる?」「最近の新しい手口は?」 被害に遭って警察に行ったらいろいろ教えてもらえた

Aさんのもとに届いたメールの怪しい文面

Aさんのもとに届いたメールの怪しい文面

最近トレンドの「副業詐欺」の巧妙手口

――最近ありがちな類似の詐欺を教えてください。

刑事:一つのトレンドとしては、副業詐欺ですね。たとえば、「SNSで『いいね』を押すと報酬がもらえる」というような副業詐欺です。最初の1、2回は、指示通りに「いいね」をしたら、報酬がもらえるんです。たとえば1ヶ月で数千円とか……。ほかにも、「動画を1本見ると200円」みたいなものもありますね。

その副業で味をしめた人に対して、「もっと稼ぎがいい仕事がありますよ」と持ち掛ける。この時、お金をきちんと払ってくれる業者だから今回のオファーも大丈夫だと思い、別の副業サイトに登録させ、仕事をさせるんです。しかし、次は「その指示は規約違反だ」などと言われ、罰金として数万円振り込ませるようなケースもあります。

――この手の詐欺を防ぐ方法はありますか。

刑事:これらの詐欺は、被害者に金融機関等に相談させる時間を与えず、“すぐに判断させる”ことが肝。「これはおかしいな」と違和感を覚えたら、まずは周囲に意見を仰ぎましょう。お年寄りだけでなく、若い人も「自分は騙されない」と思いがちですが、ちょっとでもおかしいと思ったら、一度立ち止まって、ネット検索をして類似の犯罪がないか調べたり、一度周囲の信頼できる人への相談を行うようにしてください。

ネット通販の詐欺サイトを見分ける方法

さて、詐欺サイトはどこにでも潜んでいます。私も以前、もはや製造中止となったニンテンドー3DSを一生楽しむために、ハードが壊れた時用の対策として、何台か買い足していた時期がありました。しかし、中古で5000円ほどで買えたものが近年は2万4000円とかになっていた。

 そんな中、2000円台で売っているサイトを見つけたんですよ! 小躍りしたのですが、「こりゃ怪しいわ……」と思い調べたら悪評だらけ。結局このサイトに個人情報を渡すことはありませんでした。このように「ネットは詐欺が横行している」という気持ちでいることが重要です。

私なりの判断としては、以下がネット通販の詐欺サイトを見分ける方法だと思います。

【1】やり取りをすることになった業者名・メールアドレスを検索し、評判を確認
【2】おいしい話は絶対にない、と割り切る
【3】信頼ある業者(アマゾンや楽天)以外は使わない
【4】おかしな日本語のメールはすべて詐欺
【5】やたらと多種多様な方法で個人情報を聞く業者は詐欺

 それでは皆さんも慎重にネット通販をご利用くださいませ。

(了。前編から読む

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。

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