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【不動産の相続トラブル回避術】親の生前に済ませておくべき手続きフローチャート 死後の手間を省く「法定相続情報一覧図」の活用も

親の生前に済ませておくべき手続きフローチャート

親の生前に済ませておくべき手続きフローチャート

Q:不動産以外の財産もまとめる必要がある?

「財産目録」を作成しておくことが望ましい。不動産はもちろん、預貯金や保険、有価証券など親の財産を洗い出す。これを親の死後に短時間でやるのはかなりの労力だ。4年前に父親を亡くした吉澤氏が振り返る。

「親がどこの銀行に口座を持っているのか探すだけで大仕事。まるで宝探しでした。やっと探し出し、通帳を見ると残高が85円ということも(苦笑)。田舎だと畑をどこに持っているかを確認するだけでも骨が折れる。財産目録があれば、子供の負担は大幅に減ります」

 誰が相続人で、不動産を含めどんな財産があるかを整理できたら、次はどう分けるかを話し合う家族会議に進んでいく。

Q:家族会議で話しておくべきことは?

 最初に親が相続について自身の意向を話すのが自然な流れだ。

「必ず話し合っておきたいのが財産のなかに“不要な不動産”があるかどうか。親の側は、代々の土地だから受け継いでほしいとか、不動産を持っていれば安心という“土地神話”を信じているケースが少なくないが、子の側はそう思っていないことも多い」

 子が不要と考える不動産は、親の生前に処分することも検討したい。

 親の死後に子が空き家を保有する事態になれば、固定資産税など維持管理コストが発生するので、早めの売却ができるに越したことはない。

「家族会議での議題は相続に限定しなくていい。親の介護も重要なテーマです。将来的に施設に入る可能性がありそうなら、その時に実家をどうするのか、誰が面倒を見るのか、という話をしてもいいでしょう」

 話し合ってスムーズに事が運ばないようなら遺言書に落とし込んでいく。

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