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【不動産の相続トラブル回避術】親の生前に済ませておくべき手続きフローチャート 死後の手間を省く「法定相続情報一覧図」の活用も

Q:相続発生後の手間を省くには?

 ここまでに挙げた相続人の確認や財産目録・遺言書の作成により、相続発生後の手続きの一部が省けるのは掲載した図の通り。とりわけ遺言書がないと相続人全員の署名・実印・印鑑証明を伴った遺産分割協議書の作成が必要となる。それがないと不動産の名義変更などの手続きが進められず、大幅に手間が増してしまう。

 その他にも登記や名義変更の手続きのたびに被相続人や相続人全員の戸籍を用意する手間を省くために、相続開始後に法務局で「法定相続情報一覧図」の認証文付きの写しを申請するとよい。

Q:相続税を得する方法もある?

「小規模宅地等の特例」があることも知っておきたい。相続に詳しい税理士法人レディング代表の木下勇人・税理士が説明する。

「親が自宅として使っていた土地(330平方メートルまで)を配偶者または同居する家族が相続する場合、土地評価額を最大で80%減額できる制度です。

“同居していると8割減”という話が知られていますが、実は同居していない子でも使える“家なき子特例”と呼ばれる仕組みがある。条件としては、

【1】亡くなった人(被相続人)に配偶者や同居の相続人がいない
【2】相続開始前の3年間、(自分、配偶者、3親等内の親族などの)持ち家に住んでいない

 などを満たす必要があります。複雑な仕組みなので活用を考える場合は専門家への相談が必要でしょう」

 土地や建物のスムーズな相続には、早くから「どうすればラクになるか」という発想を持つことだ。

※週刊ポスト2024年3月1日号

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