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【進化するがん治療】ケアシステムも充実化「がん相談支援センター」ではお金や仕事の相談も可能 退職を促された際の対応策も

99%の放射線治療は健康保険適用

「手術」「薬物療法」に続き、「放射線療法」はがんの3大治療の1つだが、日本ではマイナスイメージが強い。

「手術や薬物療法と比較してまだデータが少ないことや“放射線”という言葉に抵抗感を持つ人が多いことが影響して、日本ではがん治療のうち25%程度しか行われていませんが、欧米では全体の56~66%が放射線治療です」(室井さん)

 しかしそうした「放射線は怖い」というイメージのもと、治療を尻込みするのは時代遅れになるほど現況は変化している。村上さんは「機械が大きく進化を遂げている」と話す。

「昔は一方向からの照射でしたが、三次元で多方向から高精度で照射できるようになっています。正確に照射することで副作用も軽減できる。中でも『三次元原体照射』などは、CTやMRI検査で撮影した画像をもとに、3Dグラフィックを使ってがんを立体的に再現して照射します。治療期間の短縮も可能になりました。早期の肺がんや前立腺がんでは、1回の放射線量を上げて、治療期間を短縮できるようになっています」

「経済的負担も軽い」と話すのは中川さんだ。

「2016年まで保険適用ではなかった重粒子線治療などは高額なイメージが強いですが、放射線治療が高いというのは勘違い。99%の放射線治療は健康保険が適用されます。

 ただし、がんの種類によって効果が出にくいものもある。効きやすいのは食道がんや子宮がん、肺がん、前立腺がん。例えば前立腺がんは、手術でも通常の放射線治療でも同程度の治療効果がある。金額は手術と同じくらいで、体への負担も少ないのが放射線治療のメリットです」

 若尾さんも言う。

「早期の喉頭がんや子宮頸がんの場合、放射線治療も選択肢となります。食道がんも放射線治療と薬物療法を併用することで、手術と同等の効果がある。以前は食道を摘出していましたが、手術にとって代わることが増えています」

第3回に続く第1回から読む

※女性セブン2024年3月14日号

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