中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

厚労省「飲酒ガイドライン」発表でお酒の広告どうなる? 「JTのようにマナー啓発CMばかりになる」流れも

CMにアニメを使うと「若者の飲酒を助長する」と批判も

 となると、JTが銘柄の広告をやめ、マナー啓発の広告ばかりになったような流れが、酒の広告にもやって来る未来も予想されます。広告業界にとって酒造メーカーは大得意先。その流れに抵抗したいという思いもあるでしょうが、世論が変わればもはや逆風に耐えられずそのようになるかもしれません。

 酒というものは実に危うい商品で、様々な犯罪や不祥事に繋がる側面があるのは否定できません。先日も居酒屋で「寒いから窓を閉めてくれ」と伝えた50代男性が20代の男から暴行を加えられる事件がありました。セクハラや性犯罪についても酒が絡んでいることは多い。重大な交通事故も飲酒運転が原因だったりもする。

 実際、酒CMについては過去にサントリーがアニメのペンギンやタコが登場するものを作り、子供たちに親近感を与える、と批判されたことがあります。キリンも缶チューハイのCMにアニメを活用し、「若者の飲酒を助長する」と批判されて撤回しました。

 メーカー・飲食店・メディア・広告会社、いずれも酒広告に規制がかかるとダメージを受けるわけで、今後はどうやって宣伝していくべきか、頭を悩ませているかもしれません。たとえば居酒屋チェーンのCMだったら、「撮影にはノンアルコールビールを使用しています」などとテロップを入れて、せめてもの抵抗をするのでは。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。

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