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【4月に相続登記のルール改正】知っておきたい「不動産相続の手続き」フローチャート 準備をしておかなければ、あっという間に期限の3年が過ぎてしまう

「なる早」で済ませたい「生前贈与」使える制度リスト

「なる早」で済ませたい「生前贈与」使える制度リスト

生前贈与にもタイムリミットがある

 4月以降、不動産の相続はさらなる締めつけも予想される。面倒なうえ、評価額次第では相続税にも大きな影響を及ぼす可能性があるため、迅速かつ慎重に行ってほしい。

 相続税をできるだけ抑えるには、不動産やその他の財産をあらかじめ渡しておく「生前贈与」も有効。今年1月1日からは、生前贈与のルールも変更された。

 毎年110万円までの贈与が非課税になる「暦年贈与」は、それまでは亡くなった日の「3年前」までの贈与分が“相続の前渡し”として相続財産に加算されていたが、今年から「7年前まで」に延長され(3年前までは全額、4~7年前は総額から100万円を差し引いた金額を加算)、その代わりに「相続時精算課税制度」が改正された。

「60才以上の父母や祖父母から18才以上の子や孫への2500万円までの贈与が非課税になり、贈与者が亡くなると、贈与分は相続財産に持ち戻される制度です。これに年間110万円までは基礎控除されるという改正が行われ、暦年贈与に取って代わる使い道ができました。一度この制度を使うと暦年贈与に戻せなくなりますが、届け出さえすれば控除分は相続財産に組み入れられなくなるので、長生きするほど得になります」(板倉さん・以下同)

 このほかにも贈与税を非課税にする特例はあるが、それらにはタイムリミットがあるため、4月を迎えたら早めに検討・着手しておきたい。

 例えば「結婚・子育て資金の一括贈与(1000万円まで)」は2025年3月末まで、「教育資金の一括贈与(1500万円まで)」は2026年3月末まで、昨年末で終了予定だった「住宅取得等資金の一括贈与(最大1000万円まで)」はこの税制改正で2026年末まで延長される予定になっている。

「不動産が回れば経済が動く。政府は住宅資金の非課税枠は終わらせたくないはずなので、2026年以降も延長されるかもしれません」

 ただし贈与されたお金を使い切らないと、余った分には贈与税がかかるケースもあるため、早めに進めておくに越したことはない。

「まずは4月になる前に、自宅以外の不動産の有無を確かめることをおすすめします。加えて、銀行口座や保険、株式といった有価証券など、相続手続きや生前贈与に必要な情報の整理もお早めに」(明石さん)

 できる限りの準備をして、気持ちよく春を迎えよう。

※女性セブン2024年4月4日号

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