ビジネス

【国産食品の不都合な真実】世界中で問題視されている農薬が日本で堂々と使われる背景 食品添加物も世界と比較して規制が甘い現実

生麺や餃子の皮に使われる保湿剤の「プロピレングリコール」は海外で使用に規制がかけられている(イメージ)

生麺や餃子の皮に使われる保湿剤の「プロピレングリコール」は海外で使用に規制がかけられている(イメージ)

 4月2日、台湾のメディアは日本から輸入したいちご約472kgとキンカン約102kgの残留農薬が規定値を超えていたとして、すべて廃棄または積み戻しすることを発表した。国内でも、2月に福島県産の小松菜が、3月には高知県産のにらが、残留農薬の規定値を大幅に超過していたとして回収されている。

 現在、日本で認可されている農薬は4000種類以上に及び、使用量も世界的にみてトップクラスだという。国産食品が安心・安全を標榜するブランドだったのはいまや昔。われわれが気づかぬうちに、警戒すべき“危険食品”になり始めているのだ。【国産食品の不都合な真実・前後編の後編。前編から読む

農薬が多い作物は病気になりやすい

 世界各国が危険視しているにもかかわらず、日本では漫然と使用されている農薬のひとつとして、『本当は危ない国産食品』の著書があるジャーナリストの奥野修司さんは、除草剤「グリホサート」をあげる。

「アメリカでは健康被害に関する訴訟がいくつも起きており、今年に入ってからも、グリホサートでがんになったと主張する人に対して、企業側に約23億ドルの支払いを命じる評決が出ました。日本では一部の団体が残留基準の見直しを要請しているものの使用規制はありません」

 日本が“寛容”なのは基準値だけに留まらない。立命館大学生命科学部教授の久保幹(もとき)さんが解説する。

「農薬の扱いについても、諸外国よりかなり緩い。例えば塩素系の殺虫剤『クロルピクリン』はアメリカでは扱える人が限られているうえ、防護服に専用のマスクをつけてまくことが義務付けられていますが、日本では現状、厳しい制約なしに使うことができる。それゆえ使用法を誤って救急車で運ばれたり、命を落とすような事故も起きています」(久保さん・以下同)

次のページ:農薬まみれの作物は外からの害にも弱い
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。