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【発掘・米国株】かつてのアマゾンを彷彿とさせる「成長期待株」のポテンシャル/配当貴族より魅力的な「高利回り株」

米国株の中にはまだまだ投資妙味の高い、魅力的な銘柄が潜んでいる(Getty Images) 米国株の中にはまだまだ投資妙味の高い、魅力的な銘柄が潜んでいる(Getty Images)

 4月以降、4万円台回復を前に足踏みが続く日経平均株価とは対照的に、ニューヨークダウやS&P500など主要株価指数の史上最高値更新に沸く米国市場。そんな米国市場を牽引する代表的な銘柄群が「GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック=現メタ・プラットフォームズ、アップル、マイクロソフト)」で、そこにエヌビディアやテスラを加えた「マグニフィセント・セブン」などが注目を集めている。そうした中で、「米国株の中にはまだまだ投資妙味の高い、魅力的な銘柄が潜んでいる」というのは、海外投資に詳しい、グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏だ。戸松氏が独自の視点で米国市場の注目銘柄をピックアップした。


(ページ下部では、図表で戸松信博氏が厳選した《「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選》を紹介!)

かつてのアマゾンを彷彿とさせる成長期待株

 米国株投資といえば、GAFAMをはじめ世界を牽引する巨大プラットフォーマー企業を思い浮かべる投資家は少なくないだろう。ただ、米国株をくまなくウォッチしてきた身からすると、GAFAMもよいが、ほかにも注目したい銘柄がいくつもある。なにより今後の株価上昇を見越せば、すでに高値圏にあるGAFAMよりも魅力的な株価水準にあるといえる。

 たとえば、ウーバー・テクノロジーズ(UBER=ティッカー、以下同)は、今後の成長が見込める銘柄の筆頭格とみている。配車サービスや宅配サービスで知られる同社は、直近の四半期(2024年1~3月期)決算が赤字だったため、株価も低迷している。ただし、同社の今のステージは2008年当時のアマゾンに似ていて、米国内で成功したビジネスモデルがこれから本格的に海外で広がっていく段階にあるとみている。

 実際、日本でも「ウーバー・イーツ」の宅配サービスでは有名だが、もう一方の配車サービスの普及はこれから。日本版ライドシェアでは一部が解禁されただけで、同社のサービスもタクシー配車アプリビジネスに事業範囲がとどまっており、ウーバーと利用者が直接つながる展開はこれから本格化する見通しだ。

 だとすれば、過去10年でアマゾンの株価が10倍に膨れ上がったように、ウーバーにもこれから世界的な成長が望め、それに伴って株価も今後に大きな期待が持てるのではないか、とみている。

「総還元利回り」の高さで注目される銘柄


(以下、図表で「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選を紹介)

「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選【1】 「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選【1】

 また、米国では株主還元に積極的な企業が多い。コカ・コーラやジョンソン・エンド・ジョンソン、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など、長年にわたって増配を続けている「配当貴族」と呼ばれる銘柄の人気も高い。配当目当てにこうした銘柄に投資する人もいるが、配当利回りの高さだけに注目していては、投資チャンスを逃しかねない。

 そもそも株主還元は配当だけでなく、「自社株買い」も含まれる。企業が自社株買いをすれば、発行済み株式数が減り、その分1株当たり利益(EPS)が増えるので、それを好感して株が買われる期待が高まり、株価が上がりやすくなる。それゆえ、いまや米国では株主還元策として自社株買いが空前の規模で進み、日本でも自社株買いが増えているのだ。

 現在、米国では「配当利回り」に「自社株買い利回り(年間の自社株買い金額/時価総額)」を加えた「総還元利回り」で企業を評価する風潮が強まっている。実際、S&P500の配当利回りは1.47%とさほど高くないが、自社株買い利回りは1.99%と配当を上回り、総還元利回りは3.46%にのぼっている。S&P500には同指数を構成する500社のなかで自社株買い利回りの高い上位100銘柄を集めた「バイバック・インデックス」もあり、そのパフォーマンスは過去20年あまりで通常のS&P500の4倍も高い実績となっているほどだ。

 そこで、そうした魅力的な銘柄を探すために、【1】トップシェアなど独自の強みがある(またはそれに近い)、【2】結果として安定的な利益を出し続けている、【3】増配や自社株買いを継続して行なっている、【4】「総還元利回り」が高い、といった条件でスクリーニング。そこに独自の視点を加えて、厳選した銘柄を別掲のリストにまとめた。

「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選【2】 「総還元利回り」の高さが光る有望米国株12選【2】

 いずれも独自の強みによって高いシェアを持ちつつ、株主還元にも積極的な企業であり、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙いながら、インカムゲイン(配当益など)もしっかり確保できる魅力的な銘柄といえるだろう。

 米国株は、ふだんよく耳にする「GAFAM」だけでなく、このような魅力的な銘柄がまだまだある。興味があれば、ぜひ目を凝らしてみてほしい。

【プロフィール】
戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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