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【岐路に立つ女子大】「内容で選ばれる大学」を目指す昭和女子大の試み 坂東眞理子・総長が構想する「新情報学部」の狙い、既存の学部とは異なるコンセプト

新しいコンセプトの情報系学部

 それ以外にも学部学科に問わず参加できるプロジェクトやプログラムもあり、データサイエンスのプログラムを履修した金融専攻の学生が保険会社のIT部門に就職もしている。

 今後は理系分野に力を入れていく予定で、2026年には総合情報科学部を設置する計画だ。データサイエンス学科とデジタルイノベーション学科からなる予定だ(学部、学科名は仮称)。

「女子大の魅力は資格が取れる学部学科の充実でした。栄養士や保育士、看護師などが人気でしたが、キャリアを積んでいくのに役に立つ資格や専門性も多様化をしていると思います」(昭和女子大学総長・坂東眞理子氏)

 その情報系の学部学科はどんな内容なのかと訊くと、

「抽象的な概念や理念だけでなく、それを社会実装に結びつける、橋わたしする、応用する力をつける。仕様書を作って、エンジニアに渡すような仕事をする人材を育てたい」(坂東総長)

 たとえば、大手企業を顧客とするITの受託企業があるとしよう。工学部出身の優秀なエンジニアたちは知識や情報量を持ちすぎるがゆえにクライアントの要望がくみ取れないことがある。エンジニアとクライアントに専門知識に差がありすぎるのだ。そういった場合、コミュニケーション能力や共感力が高い文系出身のエンジニアがクライアントの要望を聞きとり、それをどう実装するか、工学部出身のエンジニアたちに伝える。

 そうすると、工学部出身のエンジニアたちは専門知識を駆使して、クライアントの要望に応えていくことができる。

 ここでいう文系エンジニアのような人材、つまり営業職に少し近いエンジニアは、今、日本のITの世界で不足している。そこで昭和女子大では、専門性とコミュニケーション能力の両方を備える人材を養成したいというわけだ。

 既存の工学部系である情報学部とはやや異なったコンセプトで、女子大の新学部学科としての魅力を作ろうという工夫がうかがえる。

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