春節休暇を挟んだ春運では多くの中国人の移動が予想されている(写真は2024年の春節時の中国・上海。AFP=時事)
今年の中国旧正月(春節)休暇は例年よりやや早い1月28日から始まる。中国従業者の流動性は日本と比べて極めて高く、特にいつでもだれでも職に就けるような単純労働者については春節を区切りに一旦辞めて故郷に帰る者も多い。彼ら/彼女らはしばらく故郷で過ごした後、再び新たな職を求め、都市部に戻ることになる。
春節休暇自体は2月4日までだが、交通機関は混雑が予想される1月14日から2月22日までの40日間を「春運」と称し、特別ダイヤを組んだりするが、今年は1月14日から2月22日がその春運期間となる。交通運輸部によれば、この間の流動者数は7%増、過去最高の延べ90億人が予想される。
春運のもう少し細かいデータ、例えば鉄道旅客量について調べてみると、25日にピークを打ったとみられるが、この日の前年同期比(春運12日目と比較)伸び率は17.9%。1月26日までの累計では6.4%増の延べ1億6953人に達している。航空旅客量では8.2%増の延べ2951万人で、こちらも高い伸びとなっている。
日本のマスコミの間では、中国経済に関して不動産不況が深刻だとの報道が目立つが、春運の動静をみる限りでは、コアの消費需要はむしろ好調といってよい状況だ。
先日発表されたIMFによる世界経済見通しによれば、中国の2025年成長率について前年(推計値)を0.2ポイント下回る4.6%、2026年を4.5%と予想している。好調な経済が続く米国だが、2024年(推計)は2.8%、2025年は2.7%、2026年は2.1%と予想している。ちなみに日本は順に▲0.2%、1.1%、0.8%だ。中国の2024年における成長率(速報値)は5.0%と、IMFの推計を0.2ポイント上回っており、4月に発表されるだろう次回の見通しでは上方修正も期待される。