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ライフ

「いらないって言ってるのに…」推しの“布教活動”で大量にグッズを配る人たちへの困惑と本音 「人の写真は捨てづらい」「CDはプラごみだから廃棄に気を遣う」と処分にも苦慮

大量の布教用CDをエステサロンに置いていく客

 布教グッズの定番といえば、生写真のほかにもCDがある。都内でプライベートサロンを経営するエステティシャンの女性・Bさん(44歳)は、常連客の会社員女性が「布教用CDをお店に置いてほしい」と定期的にCDを持参してくるという。

「お客様の一人に、男性アイドルグループを熱心に応援している方がいて、新曲が出ると必ず50枚くらいCDを持ってこられるんですよ。同じCDでもジャケット写真が異なるものは全部そろえて持ってきて、ご丁寧に書店のポップのようなものも手作りで作ってきてくださる。『これ、サロンに置いてください! ご自由にお持ちいただいて良いので』と。断りづらいので、置いていますが、これまでもらってくれたのは3名くらいでしょうか(笑)。

 先日、別のお客様に差し上げようとしたら、『うちは再生できないから大丈夫です』『YouTubeチェックしますね』と断られてしまいました。私も娘にあげたり、娘の友人にあげたりして処分していますが、そろそろ迷惑かなと。やっぱり場所を取るモノだし、CDはプラスチックなので大量に廃棄するときも気を遣いますから。次にお願いされたら『お気持ちだけいただきます』とお伝えします」(Bさん)

K-POPアイドルのCDに「何を歌ってるか分からない」

 布教活動でCDをもらって、その扱いに困っている人は少なくない。都内の国立大学大学院に通っている大学院生の女性・Cさん(25歳)は、海外からの留学生にK-POPアイドルのCDを定期的に渡されるようになり、困惑しているという。

「ヨーロッパからの留学生の女の子で、K-POPアイドルのなかでも地下アイドル的なグループを応援している子がいるんですよ。彼女は日本アニメとK-POPの筋金入りのオタクで、『推し活しやすいから日本に留学してきた』と話しています。彼女は新大久保にある、韓国系の地下アイドルが出演するライブハウスに通っているらしいのですが、推しのK-POPアイドルのカードやCDを10枚単位でくれるんです。

 知らないグループだけど、最初はちゃんとPCで再生したんですよ(笑)。でも、そもそも韓国語で何を歌ってるか分からないし、メンバーの顔の違いも認識できなくて……。結局、それからは『もうくれなくて大丈夫だよ!』と伝えているのですが、『私は使命感で配っているから、友人ならもらって!』とゴリ押しされて、手渡されるんです。メルカリなどで転売しようとしても、マイナーなグループすぎてまったく需要がない。推しを布教したいという気持ちは否定しませんが、周囲に迷惑をかけるような応援の仕方はやめた方がよいと思うんですよね」(Cさん)

 応援している人やモノの魅力を少しでも知ってほしいと願うファンの気持ちが具現化したものが“布教活動”。一方で、布教されてもらったモノの処分に困っている人たちは、意外に少なくないようだ。

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