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【オバ記者が目撃したテレビ局・芸能界】「有名人を見ても騒がない」ことが“テレビ局の入館証代わり”だった時代と“局の廊下を歩いているだけで感じた危うさ”

 当時は芸能界もアットホームでね。芸能人の親族が事務所に来ることも珍しくなくて、マネジャーやその上司と喫茶店で話し込んでいる風景もよく見かけた。タレントひとりを大勢の人で支えていることが、田舎娘にとっては新鮮だった。

 それから3年経って週刊誌の記者になった私は、取材でテレビ局を訪れるようになるのだけど、フジテレビがまだ新宿区河田町にあった頃のこと。

 あるミュージシャンが、取材場所としてフジテレビの地下食堂を指定してきた。昼過ぎだったと思う。さほど広くない食堂に、有名人という有名人が集まっている。1980年代初め、おそらくどこのテレビ局も受付なしで入れたのよ。

 てことはだよ……私は、テレビっ子で芸能人好きの親戚の高校生に「有名人を見たい?」と誘いをかけた。その瞬間、「ギャーッ、スゲー、行く行く、絶対に行く! いつ? ねぇ、いつ?」と、ものすごい勢いで身を乗り出してきた。それを見て悟ったんだよね。これはムリだと。

 有名人を見ても騒がない──それが当時のテレビ局に自由に出入りできる資格というか、入館証代わりだったのよ。

女性タレントと体を寄せてテレビ局の廊下を歩く初老の男性

 話は飛んで、その20年後。私はある芸人のマネジャーとして足掛け3年、テレビ局の楽屋に日常的に出入りをすることになった。

 きっかけは、その芸人を取材したとき、「マネジャーをしてみない? 何かつかめるかもよ」と誘っていただいたからなの。

 港区台場の新社屋に移ったフジテレビに行ったら、まるで未来の国に来たみたい。芸人の楽屋はその日によって大小さまざまだけど、特番のときなどは出演者が大きな部屋に集まって、ワイワイガヤガヤと楽しそうだった。

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