「名門一族」の資産を算出(左からファーストリテイリングの柳井正氏、ソフトバンクの孫正義氏=時事通信フォト、キーエンスの滝崎武光氏)
会社を興した経営者の一族が、長きにわたって影響力を行使する──そうした「創業家」はニッポンの大企業に特徴的に多く、会社の成長とともに一族で巨額の資産を受け継いできたはずだが、詳細は公表されていない。そこで本誌『週刊ポスト』は資料を丹念に辿り、数多の名家の株保有資産をランキング化した。最新の“創業家マネー”の序列を明らかにしていこう。【日本の創業家の株保有資産ランキング・全3回の第1回】
一族の「資産管理会社」
日本では「創業家と企業経営」が注目を集めることが多いが、世界的には珍しいことだという。『経済界』編集局長の関慎夫氏が語る。
「日本は米国などに比べて、上場しているファミリー企業が多い。創業家が経営を担う、あるいは経営と資本を分離するなど、いくつかの企業統治パターンがあります」
ニッポンの「創業家」ランキング(1~3位)
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創業家一族は、ファミリー企業の株を大量に保有しているのが特徴だ。
「個人で株を保有するだけでなく、創業家一族が設立した『資産管理会社』が大量の株を保有するケースも多い。資産管理会社に株を持たせると安定株主として企業買収からの防衛策となるうえ、相続税対策にもなる。あえて関係がわかりにくい社名にして、創業家の保有資産を見えにくくすることもある」(経済ジャーナリストの福田俊之氏)
今回、上場企業の時価総額トップ300社の最新の決算資料から「大株主の状況」に記載がある創業家出身者、創業家が設立した資産管理会社が保有する株式の時価を集計し、「株保有資産額」の合計をランキング化した。