考えることを放棄しているようですが、実はそうではありません。人の心理は上方にも下方にもオーバーシュートするもので、バブル時は過度に楽観的になり、暴落時は過度に悲観的になることを経験則的に知っているからです。
暴落時には過度に悲観的な見方をした情報があふれかえります。これらの情報を元に分析しても買えなくなるだけです。最悪のケースは狼狽売りです。賢い人ほど、色々調べて余計な情報を得たばかりに陥落売りするのです。
暴落は毎回別の顔で来ます。「今回は違う」は毎度の話ですが何も違いません。暴落時は皆が悲観的になって株価が下方にオーバーシュートするだけです。これは何度も何度も繰り返されてきたことです。
暴落で株価が下落しても、長期的に見れば回復します。
そこで最も大切なことは市場から退場せずに居続けることです。
そのためには「割安&業績安定&配当余力あり&増配傾向」の銘柄に広く分散投資を行い、普段からキャッシュポジションを確保し、暴落時に計画的に投入する――私は、長期間にわたり安定した恩恵を市場から受けるには、これがほどよい手法だと思っています。
(第2回へ続く)
※ヘム・著『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』を元に一部抜粋して再構成。なおトランプ関税に振り回される今の株式市場でヘム氏が注目する具体的な個別銘柄については、関連記事の最新インタビュー『《億り人が選ぶトランプ関税の影響を受けにくい5銘柄》資産4億円超のヘムさんが厳選した東証スタンダード上場のお宝株、内需で稼ぐ小型割安株を狙い撃ち!』にて、紹介している。
【PROFILE】
ヘム/京都大学卒業後、総合商社に入社。社会人1年目より投資を始め投資歴は27年になる。30歳で脱サラをして起業。現在も2社を経営する投資家兼会社経営者。392銘柄保有中、投資時価4.1億円(2025年3月31日時点)。個別銘柄分析&ポートフォリオ構成銘柄&成績をXで公開したところ、アカウント開設後、1年半でフォロワーが3万人突破。データを重視した投資手法で、その再現性の高さから、投資初心者から玄人まで幅広い支持を得ている。最新刊は『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA)。