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キャリア
「もう無理!」でわかる会社の見分け方

同僚から「仕事ができないのに特別待遇はおかしい!」の不満も 民間企業の「縁故採用」は違法でなくとも多くのデメリットが潜んでいる

縁故採用を行う会社の体制に納得がいかず退職したという人も(イメージ)

縁故採用を行う会社の体制に納得がいかず退職したという人も(イメージ)

 キャリアアップを目指して転職する人がいる一方、職場環境への不満を理由に転職を決意する人もいる。退職代行サービスを運営する「モームリ」に寄せられた相談の中には「特別待遇される縁故採用者への扱い」に納得がいかなかったという人もいるという。退職代行モームリによる新刊『今の会社、ヤバいかも!? 3万人の「もう無理!」でわかる会社の見分け方』より一部抜粋・再構成、実際の相談事例を踏まえて、縁故採用のメリット・デメリットについて解説する

【相談事例】仕事ができないのに特別待遇!

 地域の歯科医師会が運営母体となっている市立歯科医院に勤務している。某大学歯学部を放校処分となり、歯科衛生士の専門学校に転入した歯科医師会実力者の娘が新卒衛生士として入ってきた。

 何度指導しても診療で必要となる機材の準備や薬剤の準備が正しくできない、バキュームなどのアシスト業務が適切にできず、誤嚥事故を起こしかねないなど重大なミスが多く、指導する側のスタッフが疲弊している。にもかかわらず、上司は実力者に忖度して何の対策もしない。そのうえ、試用期間の短縮や新人が担当していたお茶汲みの免除、勤続5年程度で実現する学会発表論文での共同研究者としての氏名記載といった特別待遇を受けている。組織運営の体制に納得がいかないため、退職を決意した。(医療関係・T市診療所歯科衛生士パート50歳/女性)

【モームリ解説】

 いわゆる「コネ(コネクション)入社」とも呼ばれる縁故採用の事例です。公務員の場合は国家公務員法や地方自治法などで原則として禁止されていますが、民間企業が縁故採用を行うことを規制する法律はありません。

 縁故採用は広く行われており、人付き合いが密接な地方の地場産業などでは頻繁に見られます。アメリカでも従業員の紹介で人材を採用する「リファラル採用」を導入している企業は多く、また、会社のオーナー社長が子息や親族を後継者として自社に入社させることも、当然のように行われています。

 縁故採用やリファラル採用は、「雇用のミスマッチが起きにくい」「内定辞退や早期退職のリスクが少ない」「採用コストが抑えられる」など、会社側にも採用される側にもメリットがあります。取引先企業の重役の子息などを縁故採用する場合も、ビジネス上のつながりをより強固にすることができる会社側にとっては、大きなメリットです。

次のページ:縁故採用にはデメリットも

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