苦労したものの、「手書きを求める側の気持ちもわかった」という。
「とにかく書くのに時間がかかって、正直面倒でした。文字で書くのも一苦労ですけど、丁寧に間違えのないようにって意識して書くと普通に書くより3倍は疲れますね。ここまで時間を費やして書いてるのに内定が出なかったら、今までの時間を無駄にした気分になると思いました。逆に言えば、ここまで労力をかけて応募するなら応募する方もかなりの熱望ぶりだなと。
『手書きだから偉い』みたいな風潮もあると思うんですけど、かける労力が応募のハードルになるし、手書きのものを読むのって、会社側の負担も増えるはず。雑に書かれたものか丁寧に書かれたものかで熱意を選別する目安にはなるとは思うので、その点、一理あるのかなと思いました」
「入力」と「手書き」の合わせ技を使う企業もある。就活生のカノコさんが某大手食品メーカーの本選考で対面面接に進んだ際に、手書きの履歴書を持ってくることを求められた。
「すでに入力型のESを提出した後だったので、似たような内容の履歴書をもう一度出す理由はよくわからなかったです。それまでの選考に残った人たちの中での熱意を見たいということなのかなと解釈しましたが、生成AIなどを使わずに自分の考えを書かせるという意味もあるのかもしれませんね。また、対面面接となると人間性を見ると思うので、その一つの材料としての手書きを求めているのかも」