買っているのは中国の“普通の人たち”
メディアでは中国人富裕層が日本のタワーマンションなどを“爆買い”していると報じられる。しかし、「実情は異なる」と語るのは、中国人向けに不動産仲介を行なっている陳正義氏(仮名)だ。
「日本のマンションを買っているのは、必ずしも中国の富裕層ではない。富裕層が買うのは“超”高級マンション。1億~5億円のマンションを買っているのは、北京や上海で月給20万~40万円で働く人たちなのです」
なぜ、中国の“普通の人たち”が、億ションを購入できるのか。
「15倍近くにも高騰した中国の不動産バブルが理由です。例えば1000万~3000万円で購入した物件をいま売れば1億5000万~5億円弱になる。こうした売却益を元手に投資をする。円安もあり日本の不動産は彼らにとっては割安です。また、小金を持った悪い中国人がマンションを入手して、“利回り”を求めて違法民泊に手を染めるという話もよく聞きます」(前出・陳氏)
中国人の好む物件の条件1位は「海が見える」。2位が「東京タワー」、3位が「富士山」が見えることだと陳氏は解説する。つまり、東京湾が一望でき、その3条件をも叶えられる晴海フラッグのロケーションは中国人にとっても最高の物件であり、観光客向けにも訴求力あるポイントとなるのだ。
【プロフィール】
赤石晋一郎(あかいし・しんいちろう)/ジャーナリスト。「FRIDAY」「週刊文春」記者を経て2019年よりフリーに。近著に『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』(小学館新書)、『完落ち 警視庁捜査一課「取調室」秘録』(文藝春秋)。『元文春記者チャンネル』をYouTubeにて配信中。Xアカウントは【@red0101a】。
取材協力/西谷格(ノンフィクションライター)
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※週刊ポスト2025年6月6・13日号