3つの種類
パンタグラフの形状には、おもに3つの種類(菱形・下枠交差形・シングルアーム形)があります。これらの大きなちがいは、枠組の構造になります。
パンタグラフの形状のおもな種類・筆者作図
菱形は、その名の通り、横(車体側面)から見ると枠組が菱形になっているものです。もっとも歴史があるタイプで、現在も一部の電車で使われています。
菱形パンタグラフ・筆者撮影
下枠交差形は、枠組の下側(下枠)がX字形に交差したものです。折りたたんだときに屋根上で占有する面積が菱形よりも小さいという利点があります。
下枠交差形パンタグラフ。筆者撮影
シングルアーム形は、横から見ると、枠組が「く」の字形になっているものです。菱形や下枠交差形とくらべると、部品点数が少ないため、メンテナンスが容易です。また、折りたたんだときに屋根上で占有する面積が小さく、降雪時に付着した雪の重みで舟体の位置が下がりにくいなどの利点があります。
シングルアーム形パンタグラフ。筆者撮影
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