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元財務官僚警告 財務省とメディアの「危機デマ」に騙されるな

 金利ゼロで返済しなくていい借金は、借金とは言えない。そう考えると、日本の純債務は実質的にゼロに近い。金融緩和で日本の財政再建は終わっているのだ。

 にもかかわらず、こんな重要な事実を新聞・テレビは国民にまったく報じないし、いまなお「日本は借金大国」と危機を煽っている。それは大メディアの記者たちが政治家同様、財務官僚に洗脳されているからだ。

 私が役人時代、財務省の重要な発表があった時、局長が課長クラスを集めて、「新聞各社の社説に、(財務省に対して)好意的な記事を書かせろ」と指示を出したことがある。

 財務官僚にとってメディア工作は重要な“仕事”だ。若手時代から記者クラブの記者にレクチャーしたり、資料を渡したりしてパイプを作っている。課長クラスになればデスクや編集委員、論説委員クラスに親しい記者がいるから、メディア工作を競い合わせたわけだ。各社から社説が出た後、局長は再び課長クラスを集めて新聞を並べ、

「この記事はよかった」

 など評点まで付けた。

 こうした手口は昔から変わっていない。3年前に消費税を8%に引き上げたときは課長ばかりか、次官以下の最高幹部が新聞社のトップに「ご説明」に回っていたほどだ。メディアはメディアで、霞が関の中でも特に情報が集まる財務省から常日頃“ネタ”をもらっているから、彼らの意向に刃向かえない。よって、財務省が宣伝する通りの危機説しか報じられない。

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