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ライフ

高知~徳島~東京を結ぶ日本初の寝台バス「ソメイユプロフォン」に乗ってみた 第一印象は「狭い!」の一言だったが、11時間以上を過ごした感想は「よく寝られた」

土足厳禁、何から何まで規格外のソメイユプロフォン

 さて、前置きがずいぶん長くなってしまった。この旅のメインの目的であるソメイユプロフォンについてお伝えしたい。

 ソメイユプロフォンは高知駅前観光の本社を出てはりまや橋のバスターミナル、高知駅、徳島駅、バスタ新宿、バスタ八重洲を経由してTDRまで向かう。

 筆者が利用したのははりまや橋から八重洲まで。出発時刻19時40分の10分ほど前に到着すると、すでにソメイユプロフォンは停車していた。外観は通常の高速バスと何ら変わらない。

 入口で名前を告げるとシート(寝台)番号を伝えられ、靴を入れるビニール袋を渡される。運転席背後に小さなすだれがあり、その奥は土足厳禁となっている。筆者の寝台は中央最前列の下段だった。

 下段の寝台へはまず足を潜り込ませてから頭を入れる。この順番をまちがえるとまず横になることができない。いったん横になって最初に感じたのは「狭い!」の一言につきる。

 寝台は柔らかいカバーつきのブランケットに枕が備えつけられている。左右にはシェードがあり、閉めると完全にプライバシーが確保される。だが、枕に頭をのせると、頭上には数十cmしか残されていない。前後左右を金属のパイプに覆われていることによって圧迫感は強調される。

上段最前列。中央席は頭上のスペースが最も広く「当たり」である。悲しいかな一定の年齢以上の乗客は上段に割り当ててもらえないようだ。小物入れについては設置を検討しているようだ

上段最前列。中央席は頭上のスペースが最も広く「当たり」である。悲しいかな一定の年齢以上の乗客は上段に割り当ててもらえないようだ。小物入れについては設置を検討しているようだ

2本ある通路は狭く、「カニ歩き」をしないと前進が難しいほどだ。シェードが降ろされプライバシーは確保されているが、その分圧迫感も増す。筆者はこれを開けて圧迫感を軽減した

2本ある通路は狭く、「カニ歩き」をしないと前進が難しいほどだ。シェードが降ろされプライバシーは確保されているが、その分圧迫感も増す。筆者はこれを開けて圧迫感を軽減した

 閉所恐怖症でなくても、さすがにこの狭さは気になるのではないか。目を開けるとそれが一層気になるので、アイマスクと耳栓をして、自分の目の前に天井が存在していることを極力忘れるように試みた。

車外に出られるのは2回だけ

 しかも高知駅や徳島駅など、途中バスが停車するときも外に出ることもできない。結局11時間以上の乗車時間のうち、外に出られたのは、徳島駅を出てから30分ほどで到着した淡路島南パーキングエリアと早朝の足柄サービスエリアの約20分ずつのみ。

 いずれも店舗は閉まっており、トイレのほかには自動販売機くらいしかないが、圧迫感のある空間に押し込められた身にとっては広大な空間こそが最大の褒美であった。

 なお、通常のバスとは異なり人数確認が難しいので、各自番号札を渡され、バスに戻ってきたときに返却する。寝台から出ることや靴を履くことに手間取り、筆者が乗っていたバスでも最後の人が車外に出るのに4分ほど要していたようだ。

徳島駅から30分ほどで淡路島南パーキングエリアに到着。ここでようやく圧迫感のある車内から解放された。人数確認のために番号札を渡される。バスに乗り込む右手には耳栓・スリッパ・お手拭き・歯ブラシが用意されている。車内は土足厳禁。ビニールの靴袋は乗車時に各自に渡され、休憩時にはそれを持って車外に出る

徳島駅から30分ほどで淡路島南パーキングエリアに到着。ここでようやく圧迫感のある車内から解放された。人数確認のために番号札を渡される。バスに乗り込む右手には耳栓・スリッパ・お手拭き・歯ブラシが用意されている。車内は土足厳禁。ビニールの靴袋は乗車時に各自に渡され、休憩時にはそれを持って車外に出る

 上段のほうが明らかにゆとりがあるようだが、ベッド周辺に収納スペースがないのでスマホなどをうっかり下に落としかねない。筆者の目の前でもスマホが上から落ちてきたが、幸い紐をつけていたらしく、そのまま釣り糸よろしく上に引き上げられる光景を目にした。

 また、車内には後部にトイレがあるが、原則として使わないようにという車内アナウンスが入ったのには驚いた。走行中に寝台に体をぶつけることなどを憂慮しているのだろうが、停車中にトイレならば、車外に出ればよいのだから。ただし、トイレの前に比較的広いスペースがあり、高知駅や徳島駅など、途中のバス停停車中にそこで少しくつろぐことはできる。

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