関西→徳島500円との合わせ技も
ここまで書くと、ハズレなのかと思われる方もいるかもしれない。だが、よく寝られたのだ。高知駅を出てから東京駅に着くまで、2回の休憩時間をのぞくと、ほぼすべての時間で寝ることができた。もちろん旅の疲れもあったうえ、起き上がることができないので「寝るしかない」という条件もあっただけだが、「フルフラット」は「深いリクライニング」とくらべるとやはり疲労回復の度合いが違うことは実感できた。しかも長距離路線だけにその効果は大きいといえる。
実はもう一度徳島から東京まで予約を入れている。大阪・関西万博の関西パビリオン内の徳島県ブースでクーポン券を受け取ると、大阪・兵庫・京都から徳島に向かう高速バスや和歌山から徳島に向かうフェリーを片道500円で利用できる「徳島県ワンコインキャンペーン」と組み合わせ、徳島から東京に「寝台バス」で戻ってこようという計画だ。予算は5万人分確保されており、少なくとも夏休み前まではつきることはなさそうだ。
今後、日本で寝台バスが普及するのか、それともしないのかは未知数だが、高知・徳島と東京を7000円で移動できる今は確実に乗り時といえそうだ(体格の大きな男性と閉所恐怖症の人にはおすすめできないが)。
【プロフィール】
橋賀秀紀(はしが・ひでき):トラベルジャーナリスト。東京都出身の50代。訪問国は135か国・渡航回数200回以上。著書に『世界一周航空券バイブル』(イカロス出版)など。