かんちさんは消防士として勤めている時から少しずつ株を買い“じぶん年金”を完成させたという(イメージ)
今国会で成立した「年金制度改革関連法案」だが、批判も多い。自民・公明・立民の法案修正協議によって「厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする仕組み」が法案に盛り込まれたからだ(実際の発動は次回の年金財政検証を踏まえて判断するという)。厚生年金は元サラリーマンなどが受け取るが、「積立金の流用」との受け止めがあり、様々なところから批判の声があがっているのだ。
株式投資によって資産8億円超を築いた“億り人”で、元消防士のかんちさんもそのひとり。高配当株投資の達人として知られ、年約2400万円の配当金収入があるかんちさんだが、最近は自身のXで年金改悪への不信を投稿している。
厚生年金保険料の負担は「実は天引き額の2倍」
厚生労働省は1階部分にあたる基礎年金が底上げされることによって、最終的にはほぼすべての厚生年金受給者の給付水準も上がる、といった説明をしているが、かんちさんはこう憤る。
「今回のような“流用”を一度、認めてしまえば、どんどん都合よく厚生年金の積立金が使われてしまう懸念があります。政治家は、そうした国民の年金制度への不信感を分かっていないのではないか。過去に厚生年金の積立金を流用して保養施設・グリーンピアの全国に建て、官僚の天下り先にして赤字経営を続けて最後には建設費の数%の額で売却した。そういい加減なことをやってきたことを私たちは覚えています。
そもそも、厚生年金保険料は毎月の給料から天引きされるのと同額を勤め先が負担しています。つまり、天引きされる額の2倍の保険料を負担している。受給額はそれぞれの寿命によりますが、天引き額の2倍の保険料負担だと考えると、払った保険料と同じくらいかそれ以下の年金しか受給できないことになる人も多い。(現役世代が受給世代を支える)賦課方式だからそうなるのですが、不公平感は否めない」(以下、「」内はかんちさん)