億り人・遠藤洋さんの「大化け株を探すコツ」とは(イメージ)
「トランプ2.0」の幕開けから4か月が経過した。4月上旬に急落した日経平均株価もそれ以前の水準に回復したが、トランプ米大統領の言動に不確定要素は多く、先行きは見通しにくい。そうしたなかで、どのように投資先を探していくのがいいのか。株式投資で億超えの資産を築き、『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社刊)などの著書がある遠藤洋さんに、数年後にかけての大きな上昇が期待できる銘柄を選ぶポイントについて聞いた。
いちばん大事にしているのは創業社長の確認
著書は6冊を数え、「1年以内に株価3倍以上になる小型株」へ集中投資するスタイルで、最大年間利回りプラス600%、1銘柄の最大投資益プラス1760%達成といった実績を持つ遠藤さん。具体的にどのような観点で“大化け期待”の銘柄を選んでいるのだろうか。
「誰でも調べられる切り口で言うと、いちばん大事にしているのが創業社長についての確認です。ゼロからその会社を立ち上げた人が現役で社長をやっていて、かつ筆頭株主かどうかを調べるのはマスト。私が投資している企業の9割ほどがそうした企業です。やはりサラリーマン社長はどうしても“仕事として社長をしている”という印象が強いのですが、その点、創業社長は会社を大きくしてやろうといったモチベーションを強く感じます」(「」内は遠藤さん、以下同)
会社員なら「勤め先の業界」から吟味する
社長が筆頭株主であることで、投資家との利害関係が一致することも大きいという。創業者が株を保有し、経営トップを続けた結果、巨大企業に成長した例としてはソフトバンクグループや楽天グループ、ユニクロを展開するファーストリテイリングなどが広く知られている。
「さらに大事なポイントは、その会社のビジネス内容を自分が理解できるかです。あまり興味がない業界は最初から選ばないという選択もひとつの手。私の経験を踏まえると、会社員の人なら自分の勤め先の業界のことが一番よくわかります。業界の動きや変化をリアルタイムで感じられるし、さまざまな情報も入ってくるはず。新商品の評判といった一次情報は新鮮で貴重なもの。自分の勤め先の業界に関連する企業から吟味していくことが、いちばん堅いと思います」
会社員である兼業投資家ならではの武器があるわけだ。
「2~3年ほど前でしょうか、パチスロ業界で働いている知人から、これからはスマートパチンコ・スマートスロットに入れ替わるという話を聞きました。つまり、今まではパチンコ玉とかメダルとか使っていたのが、すべてデータになると。そうなると、機械が入れ替わるため、台を製造する工場などはフル稼働になる。こうした情報は業界の人からすると当たり前かもしれませんが、投資家には貴重です。仕事で知り得た新鮮な情報が投資に使えないかなという視点を持つだけで、見える世界が変わってくると思います」
「世間の人が求め、欲しいと思う商品やサービスを提供する企業が成長する」というシンプルな視点が重要だという。
「世の中を知ること、人々の動きの変化をキャッチすることは非常に重要です。自分のいる業界の最先端の情報を含め、生きていくなかで触れる情報が株式投資では活きてくる。今から10倍になる銘柄を狙うといった長期の投資を考えるなかでは、チャートなどの細かい情報は枝葉です」