今夏は都議会議員選挙に続いて参議院議員選挙も(イメージ)
7月の参院選に向けて、政治への関心も高まりつつある。国会議事堂でアルバイトをする、女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、政治家の報酬や街頭演説についてつづる。
都議は議会に年間60~90日間出るだけで年収約1418万円
「お金のことで夫婦げんかをすると声がデカくなるからイヤ」と、ずいぶん前に女友達から聞いて、なるほどなぁと感心したことがある。
日頃は見ぬ振りができるのに、夫から「ちょっと3000円貸して」と言われた途端、「何言ってんのおー」と太い声。やがて本音丸出しの怒鳴り合いになるそうな。
いやいや、私は夫婦げんかの話をしたいんじゃないの。6月22日が投票日の東京都議会議員選挙のことよ。読者の皆様が本稿を読むのが投票日を過ぎていたとしても、7月下旬には参議院議員選挙がある。選挙で当選した人たちがいくらもらうか、知りたくない?
まず、2024年度の東京都議会議員の報酬は、議会に年間60~90日間出るだけで年収約1418万円。だけじゃないよ、月額50万円の「政務活動費(政務調査費)」がプラスされる。あと、在職期間が12年を超えると、退職手当が最低700万円強。つまり、都議の任期は4年だから、2期8年で落選しちゃうと退職手当がパーになる。そりゃあ、3期目の議員は死に物狂いになるって。さらにさらに、当選回数が増えると退職年金も増えるから、なんとしてでも議員でいようとする。
この金額って、私のように時給1000円そこそこで働くパートタイマーからしたら、夢のまた夢よ。たしかに議員になるには、それなりのキラキラ経歴と、人前で自分の名前を大声で叫ぶことができる度胸が備わっている必要がある。加えて昨今の候補者は顔もいい。選ばれし人だってことは認めるよ。
とはいえよ。近所のポスターで名前と顔は知ってるけど、何を成し遂げたのかわからない議員さんっていない? あの人たちが年1400万円を超える報酬に見合った働きをしているかどうか。あぁ、また頭に血が上ってきた。血圧が高めの人は、ここでいったん深呼吸した方がいいと思う。
というのも、7月下旬に参議院議員選挙があるけど、こっちの報酬はもっとエグいのよ。当選したら年収2181万円+月額100万円の調査研究広報滞在費(非課税)で、これが6年間続く。
衆議院議員会館の事務所で、お茶くみと小学生相手の国会議事堂案内のアルバイトをしている私は、時々参議院におつかいに出向くことがあるんだけど、エレベーターも床のじゅうたんも議員のネームプレートまで重厚感があって、「さすが元貴族院議員事務所」とため息が出るもんね。そりゃね、これだけの能力があってこれだけの仕事をしているなら、千万単位のお金を稼ぐのは当たり前と思える人もいる。てか、いないと困る。問題は「なんで議員?」の方よ。