お金の「見える化」をすることは老後不安の解消につながる
お金に対する不安というと、「老後資金」を思い浮かべる人も多いだろう。では、老後の不安を解消するために、何から実践すればよいだろうか。その一つとして、収入と支出を正しく把握することの重要性があげられる。では、具体的に行うべきことはなにか。新刊『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』が話題のファイナンシャルプランナー・横田健一氏が解説する。
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「年金はいくらもらえるのか」「医療費や介護費はいくらかかるのか」など老後資金をどのくらい準備すればよいのかわからず、不安に感じている方が多いようです。今回は老後資金の不安を解消するために欠かせない、誰でもすぐに取り組める、老後のお金を「見える化」する実践的な方法をご説明します。
18~69歳の全世代に共通する老後資金不安の理由とは?
次のグラフは老後資金不安の理由について聞いた年齢別の調査結果です。理由の中で「年金額の水準がわからないから」「年金が貰えるかどうかわからないから」は若年層では高くなっていますが、年齢が上昇するにつれて低下し、60~69歳では2割弱まで低下しています。
出所:三井住友銀行、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2025年)
一方、60~69歳を含む全世代に共通して挙げられている理由は「老後の生活費の水準がわからないから」で、60~69歳の方でも4割強の方が挙げています。
年代にもよりますが、老後となると20年先、30年先などかなり先の未来というイメージがあるかもしれません。しかし、60歳前後の方であれば、老後は目と鼻の先です。今から1年ずつ、生活費がどのように変化していきそうか、個別具体的に確認していくことは可能でしょう。