ホクホクの焼き芋は老若男女を問わず愛される
原材料コストは2割程度で高い利益率を確保できる
なお、先ほど私は「季節感を活かし、限定感を演出することで、消費者の購買意欲を高めている」と書きましたが、現在では、冷やしてスイーツとしての需要も高まっています。もしかすると、今後は通年で定番の食品となるかもしれませんね。
前述のように、焼き芋はこのところ好況にあります。その状況で焼き屋がいるということをまず理解しておきましょう。さらに焼き芋の原材料となるサツマイモは、比較的安価で入手可能です。これにより、原材料コストを低く抑えることができます。具体的には、原材料コストを販売価格の2割に抑えることができています。
飲食店はFLコストといって、Food=原材料、Labor=労務費が主なコストとしてあり、一般的には60%を占めています。それに対して、焼き芋屋がどれだけ優位性を持っているかがわかりますね。もちろん調理は必要です。ただし、調理に必要な機材や燃料も簡便で低コストです。焼き芋の販売価格は高めに設定されており、高い利益率を確保しています。
※坂口孝則著『駄菓子屋の儲けは0円なのになぜ潰れないのか?』(SBクリエイティブ)から一部抜粋して再構成
【プロフィール】
坂口孝則(さかぐち・たかのり)/経営コンサルタント、講演家。セミナー会社経営。大阪大学卒業後、電機・自動車でのサプライチェーン・調達業務に従事。現在、未来調達研究所株式会社に所属。同社にて、多くの無料教材を提供中。コンサルティングにくわえて、企業講演、各メディアでの出演・執筆を行う。主な著作に『調達・購買の教科書』『製造業の現場バイヤーが教える 調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『営業と詐欺のあいだ』『買い負ける日本』(幻冬舎)、『駄菓子屋の儲けは0円なのになぜ潰れないのか?』(SBクリエイティブ)等がある。