人気の占い師には行列ができることもある(イメージ)
ひっそりと通りの片隅に位置取る「占い」。人気の占い師には行列ができていることもあるが、基本的に“待ち”のスタイルで、何時間も同じ場所に座り続けて客を待っている姿も珍しくない。一体占い師は、どうやって生計を立てているのか――経営コンサルタントの坂口孝則氏の著書『駄菓子屋の儲けは0円なのになぜ潰れないのか?』から一部抜粋して再構成、占いのビジネスモデルを解説する。【「なぜか潰れないあの店」の秘密・全4回の第2回】
占いにおける価格設定の妙
メイン通りのさらに一本裏手、といえば占い師でしょうか。個人的な話ですが、私の義母が占いに大変興味を持っており、お金も費やしている姿を身近に見てきました。そのため、私は占いを信じているわけではないのですが、この「占い師」というビジネスに非常に興味を持っています。私と妻の結婚祝いに、台湾の占い横丁に足を運んだほどです。
日本では路上やマンション内、施設の一角で行われることが多く、相場は30分で5000円、1時間で1万円といったところでしょう。なお、私は仕事上のつながりで紹介された占い師のもとへ行ったことがありますが、そのときは1時間で4万8000円でした。その経験からわかったことがあります。それは、訪問者が高すぎると思う価格設定をしてしまうと、そもそも来てくれないけれど、ちょっと高いかなとは思ってくれる価格でなければならないということです。安すぎたら信じる気にもなれないし、したがって占い師と真面目に接することもできないからです。
占い師は大企業ではなく、大資本がバックにあるわけではありません。また、本人が商売道具ですので、働いた分しかお金になりません。売上はそのまま粗利益になります。自身の生活費を除けば、コストは場所代くらいです。だから、生き残っている占い師は、安くても多人数を占っているパターンか、高額で付加価値を提供しているパターンとなります。