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ビジネス
「なぜか潰れないあの店」の秘密

約1兆円の市場規模に躍進した「100円ショップ」、銀座など一等地にも進出できる強靱なビジネスモデルの秘密 “過剰な商品開発”が中間層のニーズを吸い上げる

常時さまざまな魅力的な商品が揃う100円均一ショップ(イメージ)

常時さまざまな魅力的な商品が揃う100円均一ショップ(イメージ)

 コスパの良さで根強い人気を誇る100円均一ショップ(通称「100均」)。100円に限らず価格帯を広げた商品展開をするチェーンもあり、高級ショップが立ち並ぶ銀座への大型店舗展開や“おしゃれ”を売りにした商品ラインナップなど、その戦略もさまざまに工夫されている。とはいえ、一口に100均と言っても生き残る店もあれば潰れる店もある。経営コンサルタントの坂口孝則氏の著書『駄菓子屋の儲けは0円なのになぜ潰れないのか?』から一部抜粋して再構成、100均が生き残るための戦略について解説する。【「なぜか潰れないあの店」の秘密・全4回の第3回】

SDGsを意識した取り組みも

 現在、100均で生き残っているのはほぼ大手のみです。立地も一等地に店を構えているケースが多々あります。本章では、そんな100均が行っている売るための工夫と、そしてコストを抑える工夫を見ていきます。

 まず、売るために各社はイメージ戦略に力を入れています。大量消費と大量廃棄の代表格から脱皮し、長く使われ長く愛されるようなイメージ作りに邁進しています。

 このところ各社とも商品や店舗のコンセプトはSDGsを意識したものになっています。いいモノを知り、いいモノを選ぶ大人が集う場所の象徴が銀座だとすれば、そのような大人から選ばれ続ける店になることが必須なわけです。そう考えると、「安い」という単なる話題作りではない各社の戦略が透けて見えますね。

 各社とも大人の生活に溶け込むようなブランドを目指しています。DAISOはビル横の看板をいつものピンクではなく、洗練された白地を基調としていますね。売り場も化粧品やヘアケア、キッチン用品を充実させています。また、フリマサイトのメルカリと連携して配送グッズを揃え、リユース推進のPRも怠っていません。

 THREEPPYはキャラクターグッズを減らして食器を充実させ、Standard Productsでは今治産タオルを並べていました。また収納用品がかなり充実しています。3COINSでは Bluetooth イヤホンやスピーカーから美容家電、アパレル、室内植物までを扱っています。いずれもしゃれたデザインで、驚くほどです。

 Seriaは他の店とさほど変わらない作りですが、いつもの通りインショップ戦略(商業施設の中で展開し、ついで買いを誘う)で雑貨が多い状況ですね。また価格の割に高級感のある「高見え」商品がいっそう際立っています。

次のページ:中間層の「とりあえず需要」を吸い上げる

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