新規映像作成のハードルの高さ
現在のパチンコ・パチスロでは、大きな液晶画面がついている機種が多く、その液晶画面上で繰り広げられるさまざまな映像による“演出”が人気を左右する要素となっている。いかにしてユーザーを楽しませる映像を作るかが重要だが、実写のドラマや映画の場合、新規映像の撮影が簡単ではないという事情があるのだ。一方アニメ作品であれば、新規映像作成のハードルは実写よりも低い。
「パチンコ・パチスロの映像は特殊で、アニメ作品とは全く関係ないような場面が登場することも多い。実写コンテンツの場合、そういったパチンコ・パチスロ用の特別なシーンをキャスト陣を再び集めて追加撮影するのは難しい。また、パチンコ・パチスロ機への登場を避ける俳優さんやタレントさんが一定数いるのも事実。そういったなかで、二次元コンテンツは新規映像を作りやすいし、素材としても加工しやすいわけです」(藤井氏、以下「」内同)
また、現在のパチンコ・パチスロでは、“バトル演出”が多く登場する。たとえば「味方と敵が戦い、味方が勝ったら大当たり」といったものだ。アニメ作品では、そういった戦いの要素を含むものが多く、バトル演出を作りやすいという事情もある。
「あまりバトルの要素がないコンテンツを遊技機の題材にすると、かなり不自然な形でのリーチ映像になってしまうことも多いものです。たとえばタレントさんを題材にした機種だと、そもそも戦うような要素もなく、リーチ演出はあまりにも突飛なものになってしまいがち。ユーザーとしても、ちゃんと正当性のあるバトル演出でないと入り込めない。バトルが不自然にならない作品が多いという意味で、二次元コンテンツが取り上げられやすいとも言えます」
パチンコ関連記事《アニメとの親和性が深化するパチンコ・パチスロ業界 遊技機の題材になることを前提としてアニメ化のプロジェクトが動くケースも》では、藤井氏が「実写化作品」ではなく「アニメ」のほうがパチンコ・パチスロとの親和性が高い事情について、さらに詳しく解説している。