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「ヘビメタが生きがいです」Apple WatchのCMに一部のメタルファンが抱いた強い違和感 背景にある“ヘビメタ=蔑称”論争を読み解く

「Apple Watchが命を救うこともある」ということを伝えたかったのだろうが…(Apple JapanのYouTubeより)

「Apple Watchが命を救うこともある」ということを伝えたかったのだろうが…(Apple JapanのYouTubeより)

 Apple社の『Apple Watch』のCMが、一部のヘビーメタルファンのあいだで波紋を呼んでいる。6月頃から放送されている「心臓からのメッセージ」という内容のCMだ。Apple Watchには心臓の健康をサポートする機能が搭載されており、この機能によって発症の早期段階で手術を受けることができた男性を紹介しているが、メタルファンが引っかかったのは、CM冒頭で流れる男性の「ヘビメタが生きがいです」という独白だ。

「一般的には“ヘビメタ=ヘビーメタルを略したもの”という認識かもしれませんが、一部のメタルファンにとって“ヘビメタ”は蔑称です。感覚としては、鉄道ファンやアニメファンのことを鉄オタ、アニオタと呼ぶのに近いイメージ。しかもCMに登場するのは、メタルが一大ブームだった1990年前後をリアルタイムで知る世代の男性です。その世代で、“生きがい”というほどメタル好きの人が『ヘビメタ』という単語を使うのは、なかなかのレアケースでしょう」(メタルシーンに詳しい音楽ライター)

 当人がヘビーメタルを何と略そうが、それは個人の自由だ。しかし、Xを見ると、

〈実際に好きな人はヘビメタとはいわない〉
〈メタル生きがいのひとは「ヘビメタ」という言い方は絶対しないと思う。絶対、ですよ。〉
〈本当に好きならヘヴィメタルかメタルのどっちかで、ヘビメタなんて言葉は絶対使わないと思うのでとっても変〉

と、違和感を覚えた人は少なくないことがうかがえる。このヘビメタ=蔑称論争は、界隈ではおなじみのネタだという。

「昨年5月、落語家の月亭方正がXでラウドネス(日本のメタルバンド)のライブに行ったことを報告した際、『ヘビメタ』という単語を使ったことで、一部のメタルファンが敏感に反応。“ヘビメタはアリかナシか”で熱い論争になりました。

 なぜ、一部のメタルファンがそこまで“ヘビメタ”という単語を毛嫌いするのかというと、1980年代の人気番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)で、一部のバンドが面白おかしく取り上げられたことも影響しているでしょう。番組には、髪を立てて化粧をした日本のバンドが登場しましたが、当時の欧米のトップシーンにいたバンドとは音楽的にもファッション的にも乖離していたため、ファン層はほとんど被っていませんでした。それゆえ、“ヘビメタはヘビーメタルではない”という禅問答のような現象が発生したのです」(同前)

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