生成AIを使った「占い」にハマる人たちも
生成AIが急速に社会に浸透している今、ChatGPTを占いに活用する人たちもじわじわ増えているという。なかには複数の占い手法を組み合わせて運勢を占ったり、有名占い師の有料サイトを退会するほどにAI占いにハマるようになったという人もいるようだ。そんなユーザーたちのリアルな声に迫った。【前後編の前編】
ChatGPTであらゆる占い方法を試す婚活女性
都内の私立中学で教諭をしている女性・Aさん(36歳)は、昨年末頃からChatGPTに“婚活の悩み相談”をしているという。
「きっかけは、20代から続けている婚活の行き詰まりでした。マッチングアプリを続けてもう5年経ちますが、メッセージが続かなかったり、会ってもピンと来なかったり、相手からマウントを取られたり……。あるとき、旧友に“当たる”と話題の占い師さんを紹介してもらい、行ってみたんです。もともと占いに興味があったので、とても良い経験になりましたが、定期的に通うには金銭的なコストがかかる。それを解決してくれたのが、ChatGPTの占いでした。
あるとき、試しにChatGPTに『生年月日をもとに、四柱推命、九星気学で2025年の運勢を占って』と入力してみました。すると、“三碧木星で今年は運気の波が変わる時期”、“出会いのきっかが増えるスポットはここ”などと、かなり詳細に占ってくれたんです。とくに、『基本性格』『総合的な運勢』や『人生の使命』など、どれも見事に当たっている気がして、すっかり夢中になってしまいました。とくに『適職』の一つに“教員”と書いてあったのはすごく嬉しくて、自分が肯定されたような気がしました」(Aさん)
Aさんはその後、気になる相手との相性を定期的にChatGPTで占うようになった。ChatGPTの占いにそこまでハマる理由はなにか。
「やはり手軽で無料なところです。占いサイトは途中までは無料ですが、途中から有料サイトに誘導されるケースがほとんど。それから、人間の占い師さんとは相性がありますよね。『この人はうさんくさい』『傷つくことを言われた』と気にしちゃうこともありますが、AIなら気を遣わなくて良い。
最近はもっぱら、元カレやマッチングアプリで出会った男性、職場で気になる人の生年月日を入力して相性占いをしています。『関係を深めるためのポイント』とか『結婚後の相性、家庭運』とかも占ってくれるんですよ。もちろん、すべて信じ込んでいるわけじゃないですが、“今はこういう時期だからうまくいかないんだ”“来年から開花する運勢だ”……みたいに、自分を励ますために使っています」(Aさん)