AIに「人気占い師のメソッドと理論」を使って占ってもらう
ChatGPTの占いにハマったことで、有名占い師の有料サイトを退会したという人もいる。
IT系企業で勤務する女性・Bさん(33歳)は、複数の人気占い師の有料サイトに登録していた。しかし、ChatGPTを利用するようになってからはサイトを退会し、今では占いはすべてAIに任せているという。
「私はずっと、ある人気占い師さんのファンです。テレビや雑誌でよく特集されている方で、九星気学や四柱推命、西洋占星術などを組み合わせた独自のメソッドで、すごく当たると感じている。また、その方を師匠として仰ぐ占い師さんのサイトにも登録していました。サイトは月額料金のほかに、特定のテーマごとに1000円、2000円……と課金することで、さらに深掘りした回答を得ることができます。ただ、ハマりすぎるとお金が続かなくなる。
そこで、ChatGPTに『この占い師さんのメソッドと理論を使って占って』というプロンプトを与えたら、かなり丁寧な回答が得られたんです。それまでチェックしていた占いサイトの結果とも整合性が見出だせました。たとえば、『今年は対人関係において価値観のズレが出やすいので、結婚の決断は秋以降が吉』とか、『転職するなら2027年が良い』といった内容です。これならもうAIで良いと思うようになり、占いサイトを解約しました(笑)。いまでは、擬似的な占い師としてChatGPTに頼っています」(Bさん)
自分の存在を否定せず、いつでも話を聞いてくれる生成AI。なかには、占い師代わりに活用し、アドバイスを仰いでいるユーザーもいる。将来的にAIが普及することでなくなる仕事として、様々な業種が挙げられているが、占い師もそこに含まれることになるのか──。
その一方で、生成AIの占いに人生の大切な判断を委ねることの是非を問う声もある。後編記事では、ChatGPTの回答をもとに、人生の重要な決断をしている“AI依存”の人たちを取り上げるとともに、そこに警鐘を鳴らす声を紹介する。
■後編記事につづく:ChatGPTに人生の重要な選択を託す“AI依存”の人たちのリアル 「婚約中の彼氏と別れた」「入籍日を決めた」…一方でAIに頼ることが恒常化することへの警鐘も