失敗することで自分に合った投資スタイルを見つけることができる
資産1億5000万円の“億り人”である「夢の配当生活」さん(37)は、30歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)した。現在の投資スタイルは、連続して増配している銘柄を保有し、配当を残らず再投資に回すというもの。長期的な資産形成のための戦略と考え方、銘柄選定のポイントはどのようなものか。夢の配当生活さんが語ってくれた。
淡々と続けていけば、資産は着実に増えていく
「私の情報収集は、本を読むことと共感できる投資家の考え方に触れることが中心で、なかでも農林中金バリューインベストメンツのファンドマネージャー・奥野一成さんは私にとって大きな存在でした。
奥野さんの銘柄選定の基準は、『長期的な潮流に乗っていること』『構造的な競争優位性を持っていること』『独自の価値を提供していること』の3つで、実に本質を突いていると思いました。また、奥野さんが言及している『誰が経営しても勝てるレベルのポジションを築いている企業』という視点も重要で、経営者という『騎手』ではなく、事業という『馬』に賭けるべきだというウォーレン・バフェットの教えにも通じると思います」(以下、「」内コメントは夢の配当生活さん)
長期保有が投資の基本の夢の配当生活さんが続けている“ルーティン”の投資があるという。
「スケベ心から短期的な利益を狙って失敗した過去の反省から、『売らなくてもいい会社を一生保有する覚悟で買う』という考えを大切にしています。また、『長期』『積立』『分散』が基本のスタンスで、今でも毎月末に50万円を証券口座に入金して、その時点で『利回り4%以上の割安銘柄を機械的に買う』というルーティンを続けています。変な話ですが、定期的にこの作業をしないと、自分がなぜ投資しているのかを忘れてしまうところがあるのです。でも、これを淡々と続けていけば、安い時に買い増しができるうえに、資産は着実に増えていくはずです」