勉強がうまくいかない理由【2】「何からやっていいかわからない…」
「学生の勉強法」と「大人の勉強法」。その最大の違いは、「教科書」「テキスト」があるかどうかです。大学受験であれば、高校の教科書をきちんと勉強すれば、かなりの高得点をとれるはずです。教科書に全く載っていないような問題は、普通は出題されません。つまり、教科書をしっかりと勉強しておけば大丈夫、という保証があるわけです。
しかし、大人の世界、社会人の世界には、「教科書」というものがありません。
例えば、営業部に勤務するあなたは、毎月のノルマをこなせず、営業成績不振で悩んでいるとしましょう。この現状を何とかしたい! 何が何でも、営業成績をアップさせたい! そのために、どんなことでも勉強しよう! そんなとき、何をしますか?
本を読んで勉強しようと思って書店に行っても、そこには何十冊もの営業の本が並んでいます。どの本を買えばいいのか、全くわかりません。この1冊だけ読めば間違いなく営業力がアップする、という本があれば、迷わずそれを選ぶでしょう。しかし、仮にそんなものがあるならば、成績不振で悩む営業マンはいなくなります。
では、営業成績の良い先輩に教えてもらうのか。何十万円もする「営業力アップセミナー」を受講するのか。それとも、日々の営業の実体験から学ぶのか……。
社会人の世界には、これをすれば必ず結果が出るという定番の勉強法は存在しません。ですから、「仕事力をアップさせよう! 勉強しよう!」と思っても、何を教材にどう勉強していいかわからないのです。
結果として、間違った教材を手にし、物凄く遠回りのムダな勉強を始めてしまい、結果が出ないまま、勉強しない元の自分に戻るのがオチです。
教科書が存在しない社会人が、どういう発想で、何から勉強を始めればいいのか?
それは「結果」や「自己成長」につながる、最短距離の見つけ方であり、本書の重要なテーマです。今までの「勉強法」本で、あまり語られてこなかった重要なポイントです。
勉強がうまくいかない理由【3】「モチベーションがなくなり、続かない…」
あるところに「100%雨を降らせる雨乞師」がいたそうです。かんばつで苦しめられていたある村の長老は、この「雨乞師」に雨乞いを頼むことにしました。
雨乞師は、雨乞いを始めました。しかし、雨は降りません。1週間たちましたが、まだ雨は降りません。それでも、雨乞師は雨乞いを続けます。2週間たちましたが、まだ雨は降りません。それでも、雨乞師は雨乞いを続けます。
雨乞いを始めて、なんと4週間がたったそのとき、ついに雨が降り始めました。
雨乞師は言いました。「ようやく、雨乞いが成功しました!」
笑い話のような話ですが、非常に多くの教訓を含んでいると思います。
私の大好きな話なので、講演、セミナーでもよく紹介します。
とにかく続ける。途中であきらめない。成功するまで続ければ、必ず結果が出る。必ず成功する。
「続ける」ことの重要性をわかっていても、なかなか続けられない。最初は意欲に燃えていたものの、何ヶ月も勉強しているのに、結果が出ない、自己成長を自覚できないと、モチベーションが続かなくなり、いつのまにかやめてしまいます。
勉強が続かなくなって、結果が出る前にやめてしまう人がほとんどです。
なぜ勉強を「続ける」ことは、これほどまでに難しいのでしょうか。それは、結果が出るのに時間がかかるからです。短期間で、小さな結果でもいいから効果を実感できれば、モチベーションが続きます。脳科学の分野では、モチベーションの研究は非常に進んでいます。「報酬系」を活性化し、ドーパミンを分泌させればいいのです。