歌舞伎町のホストクラブで改正風営法を周知する警視庁保安課員ら(6月20日。時事通信フォト)
広告宣伝の規制はどこまで効果があるか──。悪質なホストクラブへの規制を強化する改正風営法が6月28日に施行され、ホストクラブの広告宣伝の文言が厳しく制限されるようになった。ホストクラブでは、女性客の恋愛感情につけ込んで高額の飲食を迫る“色恋営業”が横行。「売掛金」と呼ばれる未払いの料金を支払わせるために客を風俗店で働かせたり、売春させたりする行為が社会問題となっていた。
今回の改正風営法では、色恋営業が禁止され、違反した場合は営業停止など行政処分の対象となる。また、ホストクラブの看板や広告の定番となっていた「指名No.1」や「売り上げ○○億円」などといった文言や「支配人」「代表取締役」などの肩書などは、射幸心を煽るとして禁止。ホストクラブが立ち並ぶ新宿歌舞伎町では、施行前に看板の文言が黒く塗りつぶされるなどの対応がなされていた。
一方で、すでに“抜け道”のようなものも登場している。歌舞伎町では、香水と思われる小瓶を持ったホストの写真が大きく表示された看板が登場。その瓶のラベルには「No.1」「No.2」「No.3」と書かれており、その数字が売上ランキングを示しているのではないかとの指摘があるのだ。
パチンコホールの広告宣伝規制対策
ホストクラブと同様に、風営法で広告宣伝が規制されているのが、パチンコホールだ。こちらも主に客の射幸心を煽るような内容が禁止となっている。パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「たとえば『高設定が入っている』『出血大サービス』のような直接的な表現は基本的にNG。また換金レートをほのめかすような表現もアウトです。集客のためのイベントの宣伝広告についても、表現に関するルールがあります。
しかし、かつてはそういったルールを無視するホールもあり、かなり過激な表現が横行していた時代もありました。その後、東日本大震災後の自粛ムードの中で、広告宣伝が厳しく制限されるようになり、イベントの開催自体が難しくなっていってしまいますが、2023年にパチンコホール関連4団体(全日遊連、日遊協、MIRAI、余暇進)が『広告宣伝ガイドライン』を発出し、全国共通のルールを決め、現在はイベントの開催もできるようになっています」